萩往還マラニックが100kmに生まれ変わりました!
この度の攻略は2021年から開始した「やまぐち萩往還マラニック&ウォーク」100kmの部です。
ピンときた方はベテランウルトラランナーさんですね!
そう、かつて250kmの超長距離コース等で人気を博したあの大会の生まれ変わりです。
私も以前萩往還マラニックのボランティアスタッフさんとお話ししたことがあったのですが、250km、140km、70km、35kmのコースを足かけ3日で開催するのは相当負担らしく、いつか終了してしまう…とのお話は聞いておりました。
ですから終了のお知らせを聞いたときは寂しさもありつつ「やはり」という気持ち。
ただ、意外と早くリニューアル再開されたのでちょっとびっくりです。
ちなみに私は140kmコースを2回走ったことがあって、2回とも21時間掛かりました。
相当きついコースでしたがこの度の100kmはどんなコースなのか!?
解説します!
新・萩往還マラニックは地獄の難易度!エントリーする前によく考えましょう…
さて、新萩往還ですが、難易度はいかほどか!?
これは走った経験から申し上げますと…難易度は激高です!
激激高といっても過言ではありません。
正直、野辺山ウルトラが簡単に思えるほどの恐ろしい難易度です。
その厳しさを3つの観点から考察してみましょう
①とにかく後半走りにくい!
萩往還マラニック、前半は普通のウルトラマラニックです。
後で述べる、暑すぎる、という点はありますが走りやすく高低差はあまりありません。
しかし、45kmの往還道石畳のあたりから一気に雲行きが怪しくなります…
とにかく坂がえげつない、足元が石や岩で走りにくい・痛い(一部トレイル)、滑る、スピードが出せないためなかなか次のエイドにたどり着けない…
5km進むのに場所によっては1時間かかります。
喉も乾くし腹も減ります。
これだけで、もうげんなりなのですが…次の項目でダブルパンチです!
②とにかく暑い!
そう、暑い…!
かつての萩往還は5月のゴールデンウィーク中の開催でしたが、何故か新・萩往還は7月半ば!
本当に何故なのだ!?
まかり間違っても涼しいことはありません。
スタート直後はともかく、日中は…絶望です。
山中なら結構日陰で涼しいのでは?
と思ったそこのあなた。
甘い考えは捨てましょう。
思ったより日陰はありません…
この暑さが後半走りに影響を与えてきます。
③とにかく精神的にキツイ、制限時間も厳しい
これが一番です。
というのが上記2項目の内容もあって、あまりにも他の大会とは毛色が違いすぎてどんどん心が折れてくるんですよね。
全てが思い通りに進みません…
特に5月開催のときのイメージで行ったら恐ろしい目に遭いました。
手ぶらでスタートしてテキトーに走って12時間だー…とかそんな雰囲気ではありません。
制限時間も16時間と長めですが、はっきり言ってあまり余裕はありません。
私も初めて15時間掛かりました。
強い心を持って、かつ、きちんと前準備が必要な、そんな過酷な大会です。
新・萩往還マラニックの良いところ
と、まあとにかく過酷な大会なのですが、過去に比べて良いところももちろんあります。
まずエイドの充実ぶり。
とにかくいろんな食べ物、飲み物がたくさんあります。
道中用にお菓子を持たせてくれたりもします(笑)
エイドスタッフさんも優しいです。
そこに甘えて私は氷を貰いまくりました。
また、スタート時間が午前3時間半というのも嬉しいです。
というのが以前の140kmコースは午後6時スタートなので、昼寝ができないと道中絶対眠くなります…!
3時半ならちょっとスタートの早いウルトラですよね!
萩往還マラニック攻略!スタート~往還道入口(45km)
では攻略を始めていきましょう!
まず大事なのは、前半はコース云々はあまり重要ではないところです。
この大会に出ようと覚悟した人なら、オーバーペースでぶっ飛ばさなければ余裕です。
では何が重要か?
まずはスタート時間!
萩往還は午前3時半から数十人ずつの時間差スタートですが、できるだけ早くスタートしましょう。
ネットタイムでの記録なら関係ないじゃん、と思うかもしれませんが関門と制限時間は何時にスタートしても皆一緒です。
私は自信満々で最後方からスタートして最後ヒヤヒヤでした…
ライトは必須です。
割と街中は明るいですけどね。
あとは飲み物のボトル(中身は入ってなくてもいい)、もしくはお金を用意しておきましょう。
これが無いと往還道45kmから48.3kmの夏木原キャンプ場エイドまでで地獄を見るでしょう…
コース的には湯田温泉街から国道262号線を通って防府に向かうほぼ平坦なコースです。
ちなみに信号は厳守。
13.6kmで美樹亭エイド。
その後は多少キツイ坂道があります。
私は頑張って走りましたが、はっきり言って別に歩いて良いです。
後のことを考えれば大したロスでもありません。
その後橋を渡ったり、地下道を通って防府天満宮(20.9km)へ。
基本迷うことはないでしょう。
このあたりから日差しが抜群になってきます。
防府天満宮は常識ですが走ってはいけません。
歩きましょう。
お参りをして山口市まで折り返し。
元来た道を戻ります。
途中また28.1kmで美樹亭前エイドに寄ります。
途中山口駅に向かう道に入りますが、ボトルを持ってない人はその前に国道沿いでコンビニに寄りましょう(!?)
私はここでドデカミンを買ってがぶ飲みし、その後ゴールするまでこのペットボトルが戦友になりました。
ちなみに私がコンビニに入ったら、つられてか数人ランナーさんが付いてきました(笑)
アイスとか買ってましたよ。
このころになるとかなり暑いですからね。
39.3kmで山口駅前エイド。
ここまでは普通の大会の雰囲気ですね。
しばらく街中を走ると徐々に上り坂に…。
しかしまだ舗装路ですから走りやすい。
ここもきつかったら歩いても大丈夫。
この先は止まらずに安定して進むことが非常に大事です。
そしてとうとう往還道入口です!
ウルトラランナーにとっては聖地みたいなものです(笑)
萩往還マラニック攻略!往還道入口~萩往還梅林園(69.7km)
さあここからが地獄です。
石の上、土の上をのんびり歩いていきましょう…
ここから3.5kmで次の夏木原キャンプ場ですが、いつまで経っても到着しません…
凄い坂…激しくキツイです。
私は1時間近く掛かりました。
幸い日は当たらないのですが、とにかく喉が渇く…
ここで用意したボトルが大活躍します!
ボトルはエイドに着くたびに満タンにしてもらいましょう。
頂上を越えやっと舗装路に出ますが、走りやすくで涙が出ます!
少し進んだら夏木原キャンプ場エイドへ到着!
山口駅前エイドからめちゃくちゃ掛かりますよ。
この先は舗装路から昔の往還道に入ったり出たりしながら萩に向かいます。
前に人がいれば分かりやすいですが、ちょっと迷いやすいので注意。
なお、ここからはかなり日差しが強いため要注意!
次は55.7kmの佐々並エイド。
預けた荷物の受取りが出来ますよ。
ちなみに復路でも寄りますので、その時も受取りできます。
その後61.2kmで釿切(ちょうのぎり)エイド、
舗装路、草道の繰り返し…
65.3kmで乳母の茶屋エイド。
このあたり、何かあったかな…?
うーん、とにかく暑くて坂がきつくて足元の草と土が走りにくい…
エイドまでなかなかたどり着けない…といったところですね(笑)
そういえば紫陽花が綺麗でした!
乳母の茶屋エイドからしばらく日当たり抜群、熱風抜群の川沿いを走ります。
本当に生き地獄です…
そこから山道に入って上り、
緩やかな長い長い下り坂へ…
この坂は長すぎです。
下っても下っても出口が見えない…
傾斜的に走れるため、足裏が痛くなるのです。
舗装路に飛び出て少し行くと69.7kmの萩往還梅林園エイド!
やっと折り返しだぜ!
…なんですが…ここまであーだこーだ言いましたが、ここでまだ70km手前…
先はまだ長い。
舗装路の安定走行に慣れていると、この時間のかかるトレイル部分が本当にきついです。
萩往還マラニック攻略!萩往還梅林園(69.7km)~ゴール
さあ、あとは往還道を戻って湯田温泉でゴールするだけですが…
実は夏木原から萩往還梅林公園までは全体的に下り基調。
つまりここから夏木原までは上り基調という訳ですね。
地獄です!
そしてもたもたしていると、このあたりで午後1時くらいではないでしょうか。
そう、灼熱です。
もはやこのような状況ではスピードを出すとかそういう問題ではなく、とにかく安全に、ゆっくりでもいいので安定走行することが大事です。
乳母の茶屋からは日当たりも抜群…
エイドごとに倒れこんだランナーを目にすることになります。
この条件なら気持ち悪くなるランナーが出ても当然よね…
しかし、人間寝込んでもあまり回復はしません。
快速ランナー以外は倒れこんだ時点でこのコースの完走は厳しいでしょう。
私は頭から水を被り日なたは走り日陰で歩く、を繰り返しました。
制限時間を気にして焦ってペースを上げると脚が持ちません…
とにかく無理の無いように、確実に進みましょう…
復路の釿切(ちょうのぎり)エイドです。
えっちらおっちらと進みます。
暑すぎて気持ち悪いです…。
しかし夏木原(91.1km)に到着すればあと少し!
坂を上って頂上部。
なんですが、ここからも長い長い…
往還道の石ころ道を果てしなく下り、足が痛くなります…
舗装路に出て…
最後の長州苑前エイド(98.2km)。
写真分かりにくくてすみません…
ここにエイドを設置する必要があるのか?
と走る前は思いましたが、あって良かったです(笑)
その後は街中を走り(私は走れませんでしたが…)
湯田自動車学校でゴール。
普通のランナーならもうボロボロでしょう…
私も人生初の100km15時間越えでゴールしました。
とにかくこの大会は安全第一で!
無理をすると後半厳しくなるばかりです。
皆様のご見当を祈ります!
※参考記録
防府天満宮(20.9km)2:18:26
佐々並往路(55.7km)7:12:31
萩往還梅林園(69.7km)9:22:19
佐々並復路(83.8km)11:47:14
湯田自動車学校(ゴール)15:15:18
15分遅れでスタートしているため制限時間まで30分を切ってゴールしました…
ラストは佐々並からゴールまで16.2kmを3:28:04とハイキング並みのスピードに落ちています(笑)
失速しましたが、ほとんど立ち止まることがなかったのが完走できた要因だと思います…。