ウルトラマラソンの練習についてです。
昔、ランニングサークルに新しく入ったときよく聞かれました。
「ウルトラマラソン走るための練習って何をしてるんですか?」
…と。しかし、その時点でウルトラマラソン用の練習なんてしたことはありませんでした。
しかし、ウルトラマラソンを走ったことが無い人は思うのです。
「フルマラソンはとっても辛い。フルより長い距離を走るなら、そのための練習をしなければいけないんだろう。」
しかし、私はウルトラマラソンに特化した長距離練習はあまり必要ないと考えています。
特に、サブ10やサブ9くらいまでならフルマラソン用の練習で十分だと思います。
根拠は…
①自分がウルトラマラソン用の練習をしたことが無い
②周りのランナーで「ウルトラマラソン用の長距離練習をしたから速くなった」という声を聞いたことが無い
以上です。
フルマラソンが速い人はウルトラマラソンも速い
そもそも、ウルトラマラソンが速いランナーは大抵フルマラソンも速いです。
フルとウルトラのタイム関係を「大体」で表すとこんな感じです。
もちろんウルトラとはサロマ湖ウルトラマラソンのような平坦なコースです。
フル ウルトラ
2時間30分 ≒ 7時間00分
2時間40分 ≒ 7時間30分
2時間50分 ≒ 8時間00分
3時間00分 ≒ 8時間30分
3時間10分 ≒ 9時間00分
3時間20分 ≒ 9時間30分
3時間30分 ≒ 10時間00分
3時間40分 ≒ 10時間30分
3時間50分 ≒ 11時間00分
4時間00分 ≒ 11時間30分
4時間10分 ≒ 12時間00分
4時間20分 ≒ 12時間30分
4時間30分 ≒ 13時間00分
フルマラソンできちんと走りきっているのはおそらく4時間半クラスの人までで、それ以上掛かる人は歩きが入っていたり立ち止まっている可能性が高いです。
フルマラソンを安定して走れなければ当然ウルトラマラソン完走はかなり厳しいので、4時間半で走れない人はウルトラ挑戦は控えた方が良いでしょう。
もちろんこの図式から外れる人もいるにはいます。
フルマラソンで3時間切れてもウルトラマラソンは10時間というような人ですね。
ただ、逆はあまりいません。つまりウルトラマラソンで8時間30分切るような人は大抵フルマラソンで3時間切れます。
ウルトラマラソンに向かない人
では、フルマラソンが同じくらいのタイムなのに、ウルトラマラソンになると差が付いてしまうのは何故でしょうか。
その原因を考えてみると…
①胃が弱く長時間運動を続けると気持ち悪くなる
これは大きいです。
長時間の運動により胃が揺れ続けるとそのうち吐気が起こります。
そうなるともう走れません。
振動が胃に響くのが分かります。
さらに食べ物も受け付けられません。
そうなればエネルギー不足で走れませんよね。
自分はかなり胃が強い方ですが、それでも気持ち悪くなることはあります。
そうなると歩き続けて回復を待つしかありません。胃薬もあまり効かない気がします。
②脚が万全ではない
こういう方もよくいます。
ウルトラランナーは走ること自体が大好きで、脚の状態が悪くても大会に出まくるような方です。
フルならなんとか持っても、それ以降で痛みが酷くなりペースが維持できない、もしくは歩いてしまうというパターンですね。
やはり万全のランナーとは差がついてしまいます。
③適切なペースで走れない
これも大きいです。
当然、フルマラソンと同じペースで100キロを走ろうとすれば途中で潰れて脚が止まってしまいます。
またオーバーペースは①の胃の不調を引き起こしてしまいます。
また、ペースが遅すぎても問題です。
不慣れな遅いペースで長時間走れば意外に脚は止まってしまうものです。
フルマラソンよりは遅いけれども、遅すぎず走りやすい快適なペースで走ること。
それができなければいくらフルマラソンが速くてもウルトラのタイムは伸びません。
④暑さに弱い
フルと違って暑い時期、時間帯にも走ることがあるウルトラマラソン。
暑いと熱中症のリスクもありますし、暑い中走るとやはり①の胃の不調を起こしやすいです。
最悪なのはスタートからオーバーペースで走り、日中気温が上がって気持ち悪くなるパターンです。
ウルトラの後半、このパターンで寝込んでいる人をたまに見ます…
走力はもちろん大事ですが、フルマラソンより遥かにリスクが高いウルトラマラソン。
トラブルなく安定して走ることが一番大事です。
もしウルトラを完走できなかったり、タイムが思ったように伸びなかったのだとしても、それはウルトラ用の練習をしていなかったからではないのです。
…たぶんm9(゜д゜)っ
ウルトラマラソンの練習では基本的に不要なLSD
マラソンに限らず仕事でも趣味でも一番大事なのは、良いところを伸ばすよりもまず無駄なことを省くこと。
では、ウルトラマラソンの練習においても無駄なものを省いていきたいと思います。
そうすることで効率的に速くなれますよ、たぶん。
保証はしませんが。(無責任)
私が色んな方の練習方法を聞いていて一番気になるのがLSD。
Long Slow Distanceというやつですね。
呼吸が辛くないゆっくりしたスピードで長時間走るというものですが…
よく聞くのが…
「今度100キロ走るので長距離練習します。5時間LSDです( ̄^ ̄)ゞ」
というもの。
で、結果が…
「速いスピードの練習をしておくべきだった( ノД`)」
と言った感じです。
当然だと思います。
本番とより遥かに遅いペースでいくら長く走っても効果はないと思います。
私の推測では、LSDに持久力アップの効果は期待できません。
何故断言できるかというと、自分が速くならなかったからです。
私は2015年には17本、2016年には14本100キロマラソンの大会に出ました。
本気で走った大会が殆どですが、意識的にゆっくり走った大会もあります。
しかし、その間のタイムの伸びは僅か5分弱です…
世界記録に迫る持ちタイムならいざ知らず、当時の私のタイムは8時間40分台。
もちろんそれでも世のウルトラランナーの平均よりは速いですが、2年で30本出てこのくらい。
費やした時間とお金に較べれば非常に見返りが少ないと言えます。
そして、前々から疑問でしたが、速く走ることもできるのに、何故LSDでわざわざゆっくり走る必要があるのでしょうか?
同じ時間や距離を走るのであれば、出来るだけ負荷の掛かる速いペースで走れば良いと思うのです。
ウルトラに限らずフルマラソンの練習でもそうですが、本番よりずっと遅いペースの練習は能力アップに繋がりません。
例えば、フルサブ3を達成するにはキロ4分15秒で走る持久力が必要になる訳で、そこにLSDのキロ7分や8分は関係ないのです。
そして自らの体験…
本気で100キロを何十本も走っても速くならないのに、それよりペースの遅いLSDでは効果があるわけがない。
ただLSDってゆっくり故、精神的抵抗が少なく気軽に始められるため、広く世の中に支持されています。
それでも健全な皆さんは今すぐLSDをやめて、50キロペース走(!!!)とかに変えましょうo(`ω´ )o
速いペースの持久力は速いペースの長距離練習によって得られるものです。
LSDが必要な場合もある
もちろんLSDも全ての状況で無意味な訳ではありません。
走り始めたばかりの初心者や怪我でずっと走れなかったランナーは速いスピードを出せないので、身体を作るため、身体を戻すためにゆっくり長く走ることが有効になります。
ゆっくり長く走れば脂肪も燃焼して体重も減りますしね。
ただ、ウルトラマラソン完走を目指すようなレベルのランナーはすでに走る身体は出来ているので、実戦に近い、もしくはそれ以上のスピードで練習する方が遥かに効果があるでしょう。
練習で50km走はLSDより効果がある
フルマラソンの練習で30km走をするので、100キロの練習で80km走る!
とかは必要ありませんが、30キロを超える距離走は持久力の強化に効果的です。
私がたまに行うのは50km走。
なかなか気軽に行うのは難しいですが、100キロ本番の前に何本か行っておくと後半の落ち込みが抑えられます。
2019年の北オホーツク100kmでは強風で前半でズタボロになりましたが、真面目に50km走を行っていたためか、最後まで細々と粘ることができました。
スピードがある方が余裕がある?
さて、練習についてどんどん考察していきましょう。
よく聞きませんか?
例えば…
「10キロが45分(キロ4分30秒)。フルサブ3.5が大体キロ5分だから余裕が無い。まず10キロを44分で走れるようにして、キロ5分ペースで走ったときに余裕を持たせよう!」
自分の周りにもいました。
そして自分もそう思っていました。
もちろん自分はフルマラソンは走らないので10キロのペースと100キロのペースの関連ですが。
私は走り始めてから比較的順調に100キロのタイムが伸びていたのですが、あるときパッタリ止まってしまいました。
9時間を切った直後です。
そのうち伸びるだろうと思っていたが伸びる気配がない。
自分が練習内容について真剣に考え始めたのはその頃からです。
その頃の自分のタイム、100キロが8時間48分。まあこれは良いのですが10キロは44分16秒!
いくら自分がフルマラソンを走らず他の人と比較がしにくいとはいえ、10キロ44分16秒は驚異的に遅い。
サブ9ランナーなら遅くとも40分は切っているでしょう。まさしく奇跡。
もちろんこの異常な遅さは自分でも分かっていて、だからこそ焦りませんでした。
「10キロが速くなれば100キロはさらに速くなる」
10キロを速くなって、100キロのペースに余裕を持たせようとしたんですね。
それから1年…
10キロのタイムは44分16秒から39分9秒まで上がりました。
凄いです!5分7秒のアップです!
元々遅かったからこそ一気に伸びたのですが、それでもこの先の100キロに希望が持てるタイムに(当時の自分には)思えました。
で、100キロマラソンに張り切って出てみるのですが…
100キロが5分7秒×10の51分速くなったかというと…10分しか速くなっていません(;д;)
全く速くならないよりはいいですが。゚(゚´Д`゚)゚。
何かが間違っているのだ…
つまり10キロのようなガーーッと行ってしまうレースで速くなるだけでは、持久力は付かない。
おそらく…
せっかく10キロで5分、キロあたり30秒も速くなったんだから、例えば30キロや40キロの練習ももっと速いペースでできるようになったはずだったのです。
しかし、自分はそこを怠りました。
単に10キロのスピードを上げただけで、速いペースの長距離練習を怠った。
だから持久力が付いていなかったのだと考えます。
例えば、10キロ44分(キロ4分24秒)で100キロの入りをキロ5分で出来ていた。
10キロが39分(キロ3分54秒)になったから100キロの入りがキロ4分50秒で自然にできるようになるのではなく、キロ4分50秒で入れるようにするための高い負荷の長距離練習ができるようになった、ということだと思います。
もちろんそれ以上練習しないまま4分50秒で入っても良いですが、早々に潰れるだけでしょう。
前回のLSD不要論にもつながりますが、やはり長い距離、ウルトラに限らずフルマラソンの練習でも、目標タイムに適したペースで長距離練習をすることが大事だとあらためて思ったのでした。
まとめます。
10キロなどの短い距離のタイムが上がる。
→長い距離を速いペースで練習できるようになる。
→速いペースの持久力が付く。
→フルやウルトラが(きっと)速くなる。
そしてこれがマラソン練習の基本なんだと思います。
過ぎたるはなお及ばざるがごとし?
そこで、速いペースでの長距離練習をきちんと行いたいところですが…
ところで皆さんは日常をコントロールして生きていらっしゃるでしょうか?
はぁ?
意味が分からないですと…
そうですね!
分かりませんよね!
仕事をし過ぎない、遊び過ぎない。
何事も適度な量が大切です。
↑
これが言いたかったのです。
ところで私、ある月に適度な量を逸脱してマラソンの練習をしたことがあります。
10日で150キロです。
凄いです。
こんなに練習したことは今までないでしょうね。
そして、過密なトレーニングで気づいたことがあります。
それは…
「意外に疲労が残っていない」
別にジョグしかしていない訳ではありません。
ちゃんとヒーヒー言いながら速いスピードでの練習もしています。
ついでに1日の練習量も30~40キロ走ることもありました。
しかし意外に疲れていない。
一体何と較べているかというとですね、そう100キロマラソンの後とです!
100キロマラソンの次の日とか、ホント走りたくないです。
10mで息が切れます。
しかもよりによって私、雨の日以外は通勤で往復10キロ走っています。
はっきり言うと、100キロマラソンの後は1週間はまともに走れません。
(それでもヨタヨタしながら意地で走るのですが…)
ただ、大会本番は仕方ないですよね。
100キロでも本気で走るしかありません。
しかし、次のポイント練習ができるまで私なら大体10日掛かります。
その期間、無駄です!
練習は長い距離を走り過ぎない方が賢明です。
100キロマラソンを走ると分かるのですが、60キロ前後で身体の感覚が変わります。
60キロまでは暴走ペースでなければヒョイヒョイ走れますが、そこからパタッと止まります。
脚の感覚が重くなります。
疲れが溜まってきたって感じですね。
もちろん練習効果もあるのでしょうが、これ以上走ると疲労が溜まりすぎ回復に時間が掛かり過ぎます。
私、走るときは大会で一気に走ることが多く、また連日練習することが無かったので、「こんなに練習したのにあまり疲れていない」という状態が不思議でした。
「適度な長距離練習は30~60キロの間!」
突如気づくことがある…
練習もしてみるものですね~
60キロも走るやついないだろう?
とか思ったフルマラソンランナーは賢明ですよ。
しかし、私自身
「100キロ完走するには練習で80キロくらい走った方がいいですかね?」
と何度言われたか分かりません。
人類というのは何でもできる生き物なんです!
そういう人は素直に凄いと思います。
「長距離は大会本番だけでお腹一杯だぜ~」
とかは思わないようです(笑)
ただ、現実には当然長距離と言っても30キロと60キロは全然違います。
まともな感覚の持ち主であれば
①週の半ばに10キロ以下の短距離スピード練習(ビルドアップやインターバル)
②週末に40~50キロの長距離ペース走(もちろんLSDではなく速いペース)
のような練習が適切ではないでしょうか。
まあとりあえず試してみてください。
40キロも相当大変ですけどね。
大会直前の練習は軽めがいい?
よく言われること…
本番近くになり、毎週20キロ走や30キロ走や50キロ走を行う私に対し、「自称常識人」が疑問を呈します。
「直前にそんなに走りまくってイイんですか?」
「抑えた方が良くないですか?」
と、嫌味を述べられるのです!
ここで大事なのは
「うるせー勝手だろ」
とか、そういうことではありません。
まず、直前ってどのくらいなのかの考察が大事です。
その辺のランナーさんと走ってると、既に「1カ月前」とかが直前に入るらしいです!
これは大変なトリビアです。
1カ月前が「直前」で、そこから調整に入ったら私なんかパワーアップの期間がないのです。
大抵2~3週館前に真面目に走り出しますからね(笑)
結論から言うと、直前だからと言って1カ月も前から練習を軽めにする必要は全くありません。
3日前まではポイント練習をしても大丈夫です。
根拠は私がするからです。
大抵3日前に20キロ走とか30キロ走をしますね。
本当の「直前」まで追い込んだ方が本番が楽です。
理由を述べましょう!
まず第一に、早々と練習を緩めたら身体が緩みます。
せっかくそれまで練習を積み重ねてきても、何週間も緩めたら勿体無いです。
練習でアップした筋力は2週間で元に戻ってしまいます。
第二に、練習を頑張らなくていいと思うと走ることそのものからも離れてしまいやすくなります。
本気で走らなくても大丈夫
⇒今日は休もうか
⇒軽めで走るのも面倒くさい
⇒また休む
本番で頑張りたい人間の思考ループとは思えません。
(↑あれ、ここまで自分のことですね。)
何かに付けて走らない理由を作る人は特に要注意でござる。
第三に、直前の1カ月でも「当然」能力アップは見込めるからです。
もしかしたらこれを読んでいるあなたも…
「もう本番まであと少しなので焦ってもどうしようもないよ」
という理論を聞いたことがあるかもしれませんが、
それはライバルたちの罠です。
気をつけて!
いや、マジで。
直前だろうが10年前だろうが継続して行ったポイント練習は自分の走力にプラスになっています。
医学的にも当たり前でしょう。(←お前が偉そうに言うな)
わざわざ伸びるチャンスの逃すことはありません。
そもそもです。
100キロマラソンを本気で走った場合の疲労だって10日もあれば消えるんですから、2週間前に本気の練習をしない理由はありません。
フツーにすればいいんです。
実業団ならともかく、サブ4だサブ3だもしくはサブ10だサブ9だなどと騒いでいるフツーのランナーはフツーに過ごせばいいんです。神経質になる必要はありません。
ただ、最後にこれだけは言わせて欲しい。
大会本番が迫ってきたら少しずつ距離を落としてペースを上げたほうがいいぞ!
2週間前50キロ走、1週間前30キロ走、3日前20キロ走とか。
間違っても3日前に50キロ走とかせんといてね!
マラソンと熱中症
最近の岡山の夏は大変物凄い湿度でございます。
気温がそれほどでなくても、体感的には暑くて死にそうな日も多いです。
とりあえずこの先ランニングごときで死なないように、熱中症について考察してみましょう。
熱中症に最もなりやすいのは6月!
大変な事実です。
実は熱中症にもっとも掛かりやすいのは8月でも7月でもなく6月なのでした。
確かに5月の末から6月にかけて一気に気温が上がることが多いですが、それでも7月や8月よりは気温は低いはずです。
何故6月に熱中症になる人が一番多いのでしょうか?
答えは…
①気温が急に上がり、さらに湿度も高くなりやすい
②外気温に身体が慣れていない
①について
実は熱中症のなりやすさには気温の他に湿度も関係するのでした!
もちろん湿度が低いより高い方が熱中症になりやすいです。
なぜなら…
気温が上がれば当然汗を多くかきます。
なぜ人間が汗をかくのかというと…
発汗してその汗が気化するときには熱を奪うので、汗をかくことで身体を冷やそうとしているんですね。
しかし!
湿度が高くなると汗がなかなか気化しません。
ということは熱はこもるばかりです。
スポーツなんかしていたら最悪です。
こもった熱に耐えられず、熱中症になってしまう訳ですね。
②について
人間の体は徐々に外の環境に適応していきます。
つまり、7月や8月は暑くなってからしばらくたっているため、それなりに身体が暑さに適応しています。
急に気温が上がる季節の方が熱中症になりやすいんですね。
まあ暑さだけでなく、秋に急に寒くなるとすぐ風邪引きさんが出てくるのも同じでしょう。
よくよく考えるとウルトラマラソンって最悪の季節がシーズンな訳ですね。
それは辛い!
ランニング中の熱中症を防ぐには…
ランニング中に熱中症にならないためには…
走らないのが一番です!
ん、当たり前?
でも練習できないじゃないか!
…ですと?
なるほど。
皆さん安心してください!
実は熱中症になりやすい条件があるのです。
それさえ避ければ比較的安全なのです。
それは「気温28℃、湿度70%の条件では練習しない」ということです。
つまり夏の昼間に湿度が高かったら練習しない方がいいということですね。
大抵昼間より夜の方が湿度は高いです。
ただ、夜は気温が下がるのでその点は安心です。
昼にムシムシして太陽が照りつけていたら…
かなり危険です!
つい一週間ほど前そんな条件で50キロ走をして頭痛が起こった岡山のランナーもいます。
ただ、いくら走らない方がいいといってもこの時期には大会もあります。
走っている最中の対策としては、身体の内外から冷やすこと。
水分は一気にではなく、こまめに取りましょう。
外から冷やすときは首の裏を冷やすといいですよ。
ウルトラマラソン大会で氷をくれたりしますけど、できるだけ貰っておきましょう。
練習中にペットボトルとか買ったら、飲む前にとりあえず首に当てておくと安全です。
令和元年のG20では温暖化対策をちゃんと話し合ってくれたんだろうか?
真夏・雨・夜中の長距離練習は自殺行為?
真夏の夜にちょっと練習したことがあります。
そう、50キロほど(笑)
そのときの状況をお伝えしたいと思います。
19時半からスタートしたのですが…
その時点で、気温は27℃。
まあそんな滅茶苦茶高い訳ではありませんが、低くもない。
この冷夏が続いた中では高い方ではないでしょうか?
そして肝心の湿度は余裕で90%以上。
これはキツイです。
キロ5分ほどで走り出しますが、すぐに息が上がり、汗も湧水のように噴出します。
多分このペースで50キロは持たないなと感じますが、じゃあ一体どのくらいのペースで走ればいいのか分かりません。
暑いから5分10秒に落とすとか、そんな基準はなかなか分からないですよね。
結局そのペースで走り続けたのですが、そのうち雨が降ってきます。
とりあえず天気予報は曇りだったのですが、最近の天気予報はマニフェストよりも信じられないテキトーさなのでこれは仕方ないでしょう。
すぐやむかな…と思いましたが、結論から言うと最後まで降ってました。
それもかなりの勢いで(笑)
ランTはびしょ濡れ、身体の汗だか雨だか分からない液体も乾く気配がありません。
30キロ過ぎで身体に籠った熱に耐えられず、キロ5分を余裕で維持できなくなり、やがてキロ5分半⇒キロ6分と素晴らしいビルドダウンが始まります。
ペースが落ちると少し涼しく感じたのですが、元気になったと思ってペースを上げると暑過ぎて苦しくなります。
結局トータルではキロ5分20秒ほどになってしまいました。
この日の教訓としては、「真夏に雨が降っていたら夜走らない!」
ということではないでしょうか?
いや、本当に晴れている日の日中帯の方がましでした。
こんな不快な条件の練習はない、と感じるほど酷い環境でしたよ。
雨だったら結局昼でもそれほど気温が上がりませんから、そうすると湿度が高い夜の方が走りにくくなりますよね。(なんで夜の方が湿度が高いかは知りませんが…天気予報見ると大抵夜の方が高いです)
短距離ならともかく、30キロ以上の距離でははっきり言って自殺行為です。
ただ、逆に考えると、「ランニングにとってこれ以上最悪な条件はない」訳ですから、あえて(倒れないように細心の注意を払い)厳しい条件で鍛えるのも良いでしょう。私はもうしませんが(笑)
マラソンの練習ごときで落ち込まない!
これは結構大事なお話です。
しかもウルトラマラソン限定の話ではありません。
みなさんはマラソンの練習をするときどんな気持ちで臨みますか?
例えば…
「キロ5分で10キロ走ろう」
と決めたとします。
で、結果キロ5分で10キロ(50分)走れればそれでいい。
言うことなしですね。
しかし達成できなかったら…どう思いますか?
10キロを50分10秒掛かったとします。
どうでしょう?
世の中には決意した目標が達成できなくてがっかりする人がいます…
そういう人は1秒でも許せないそうです。
しかし…
しかしですよ!
私から言わせれば全く問題ない!
10キロ55分掛かったのであれば反省したほうがよろしいです。
最初から目標設定がトンチンカンだったか、手抜きして時間が掛かったか、とにかく色々怠りすぎです。
しかし10キロ走って数10秒って誤差みたいなものです。
しかも、全力で走って達成できなかったのなら仕方ない。
甘さがあったのなら反省すべきだと思います。
しかし人間は疲労や気温、体調によって発揮できる力は変わります。
50分切れなかったのならその時点の能力はその程度のものだったのです。
たとえ10キロベストが49分でも、今は切れない。
だからあきらめるしかない。
しかし練習は無意味ではありません。
現在のコンディションの中ハアハア言いながら50分10秒で走ることは、体に十分な負荷が掛かっているのです。
そもそも素人ランナーの練習目標なんて、フィーリングで直前に決めたテキトーな数字です。
そんなものより結果のほうが大事。
結果がすべて正しく、目標と乖離があったならそういうコンディションだっただけなのです。
タイム云々だけで語られたら…
例えば今年の夏…猛暑です!
私、10キロベストは39分ですが…
36℃も37℃もあるなか本気で走りましたが、キロ4分半は維持できませんでした。
それって手抜き?サボり?
そんなことないですよね。(ないのです!)
無理なものは無理!
根性がないとか意志が弱いとかそういう話ではありません。
今回10キロ50分10秒なら次は50分5秒を目指せばいいだけ。
落ち込む理由などありません。
そんなことで落ち込んでいたら、今頃私などこの世に存在していないでしょう。
練習でも本番でも常に目標を高めに設定する性格上、目標達成できたことは殆どありません!(威張るな)
ペースを少し下回った方。
こういう方はいいのですが…
距離を短くする方。
これはダメ。
こちらもよくいますね。
10キロをキロ5分で走っていたが、5キロで一杯一杯。
さてどうするか?
こういう人は大体2パターンに分けられます。
①行けるところまでキロ5分で走り、維持できなくなった時点で練習を放棄する。
②失速した後も一応走り続けるが、最後の1キロだけすごく速いペースで走る。
これはいただけない。
このパターンを見たら、10キロ50分30秒や51分でまとめてくれたほうがずっとマシだと思えませんか。
②番のラスト1キロとかも全然凄くありません。(100キロマラソンのラスト1キロなら凄いけど。)
そんな元気があるならトータルでロスを少なくしましょう。
本番では通じない走り方です。
本番なら辛くても最後まで頑張って走らなければいけないでしょう?
よりタチが悪い(笑)のは②
10キロ50分10秒だった人、5キロで走れなくなってやめた人と違って、大抵終わった後で満足しています。
しかしそもそも10キロのペース走に1キロのスピードどうこうは関係ありません。
そういうのは別の練習メニューでやりましょう。
こういう人は少し落ち込んだほうがいいくらいです(笑)
しかもこのタイプは「距離に不安がある」とか平気で言うのです!
まず決めた距離の練習をやり遂げなければいかんのに。
私はこういう方たちに言います。(偉そうに言うな、という意見は認めます)
まず、10キロ50分目指すならキロ5分5秒で入ったら?と。
大抵のランナーは練習でもマラソン業界の所謂「借金」を嫌います。
キロ4分55秒は許せても、キロ5分1秒だと焦るのです。
結局目標ペースより速くなりがちなんです。
だが、失速して10キロ走れなかったら元も子もない。
始めはゆっくり目に入って様子見、体調を確認します。
行けるようなら徐々にペースを5分に上げ、後半さらに上げる。
トータルでキロ5分を目指せばいい。
こういうことを言われると、大抵質問が来ます。
「50分1秒だったらどうするの、意味あるの?」
あのですね、10キロを50分や49分59秒で走ると能力アップ↑
50分1秒や50分2秒だと効果なし×
ってゲームじゃないんだからありえないですよね。
しかし…
「練習で目標達成できずに本番で達成できるの?」
という方もいます。
じゃあフルマラソン前は42.195キロで確認するんだな?
ウルトラランナーはどうすんの?
川の道のランナーは500キロ走るのか?
大体ね、練習と本番なら本番の方がみんな速く走ってるでしょ?
さらにややこしい方は
「最初ゆっくり入って上げていくのはビルドアップだろう!」
と言ってこられます。
正確にはビルドアップは距離で区切ってそこからステップアップするものです。
半端な距離でペースアップはしません。
それはともかく…
でもね、冷静に考えてください。
①10キロ正確にキロ5分のペース走
②10キロの始めキロ5分5秒、最後キロ4分55秒
で、練習効果の違い、答えられます?
明確に①は筋力アップ、心肺機能アップで、②が素早い動きに慣れるため…(例えばですよ!)
とかね。
言えないでしょう。
少なくとも私には分かりません。
どちらの練習も体に負荷が掛かっていれば別にいいと思います。
日本のランナーのうち80%はフルマラソンで4時間切れず、97%は3時間切れないのです。
練習を極めつくした超努力家の超練習研究家ならともかく、サブ3できない大多数の普通のランナーはその思想、本番のペースや練習方法に「なんとなく」という要素が紛れ込んできます。
遅いランナーこそ、そんなガチガチに考えなくてもいいのです。
練習に絶対的な答えもない。
だからこそ、1回1回の練習はもちろん大切で、反省もすべきこともあるかもしれませんが、その1回1回は次に生かせば良く、いちいち落ち込む必要はないと思います。
所詮趣味のマラソンのそのまた所詮練習の話です。
気楽にいきましょう!!!