とびしまウルトラマラニックって
みなさんこんにちは~。
またまた100キロの大会に出てきましたよ。
その名も「とびしまウルトラマラニックinせとうち呉」。
昨年から始まった、広島県呉市の大会ですよ。
この大会はかなり特徴的で、7つの橋を渡り7つの島をめぐるコースです。
7つの島なら橋は6つだろう?
と、思った方は常識人ですが、常識にとらわれた人間とも言えます(ヲイ)。
まずこの大会、12月に開催という気が狂ったような開催日程。
日本のウルトラマラソン、ウルトラマラニックは気温が下がりすぎず、日照時間も長い初夏から秋にかけて行うのが常識で、冬に行うにしてもかなり暖かい沖縄等で行うことがほとんどです。
それを広島県で12月に開催。
非常に涼しくていいですね、っていうか下手したら凍えますが、暑くて走りにくいってことはないため良いタイムは狙えます。
また、橋を渡るためそこの部分は上り下りはありますが、そこ以外はかなり平坦です。
意外に急坂もありましたがそれほど長い部分ではありません。
やはり良いタイムが狙えそうです。
とびしまウルトラマラニックのコースは?
まず上蒲刈島の研修施設、県民の浜をスタート。
まず西に向かい蒲刈大橋を渡り、下蒲刈島へ。
島を時計回りに進み、安芸灘大橋を渡ります。
一旦本州に渡り、すぐ折り返し下蒲刈島に戻ります。
そこから蒲刈大橋を渡り、再び上蒲刈島へ。
上蒲刈島を時計回りに進み、豊島大橋を渡り豊島へ。
豊島大橋を時計回りに進み、豊浜大橋(もう訳が分からん!)を渡り大崎下島へ。
大崎下島を反時計回りに進みます。
平羅島と中ノ島を越え、岡村大橋を渡り最後の島、岡村島へ。
なんとこの岡村大橋、愛媛県今治市になります。
へ~。
もうみなさんも訳が分からなくなったと思いますし、そもそも別に覚えなくていいと思います(笑)
とりあえず島をぐるぐる、橋を上って下ってややこしいコースです。
そしてエイドの間隔は結構あいています。
終盤はさすがに5キロほどでありますが、序盤から中盤は8キロ、9キロとかなりの距離。
実際これはかなり厳しいです。
内容は充実していますがね…
荷物預けは47キロのエイドにできますよ。
いざ参戦!とびしまウルトラマラニック!
では参戦記に参りましょう…
島内には宿泊施設が少なく、また参戦決定も遅かったため宿が取れず、今回は呉市街にあるホテルに宿泊。
といっても安芸灘大橋から呉市街までは10キロ以上あります。
結構離れてますね。
前日受付もありますが安芸灘大橋を渡ると料金がかかるため、当日受付を選択します。
当日受付は3:30から4:30なのですが4時ごろ行くと大渋滞。
先に受付しておいた方が安心ですね。
受付時に携行品をチェック。
①ヘッドライトまたはハンドライト。
②反射板
③レインウェア
④携帯電話
⑤保険証
⑥地図(受付でもらえます)
先に言っておきますがライトは明るいものを選んだ方が良いです。
ショボいライトだと前がよく見えず危険です。
しかも冬ですからなかなか明るくなりませんよ。
荷物預けを行い、スタートに向かうと…
もうみんな並んで写真撮影をしてる(笑)
今回は先頭ではなくちょっと後ろからスタート。
一体どうなってしまうのか?
とびしまウルトラマラニック序盤編
さあ、いよいよスタートしたとびしまウルトラマラニックですが…
スタート時も7℃と意外に気温が高い。
もちろん暑いわけではないですが、今年3月の茨城100キロがマイナス3℃、奥出雲おろちがマイナス1℃だったことを考えると、12月にしてはかなり暖かいと思います。
ちなみに今回はレインウェア携帯必須なので、モンベルのゴアテックスウェアを羽織っています。
まったく寒くない。
さて、ペースですが練習不足がたたり、まったく上がりません。
キロ5分20秒くらい…
じつは9月のやさかウルトラが終わった後10月、11月とほとんど走っておらず…
練習不足での参戦です。
この涼しさ、走りやすさでこのペースはヤバい、と思いつつもどうしようもありません。
上蒲刈島の海岸線を抜かれながら走ります。
しばらく平坦ですが、島の北から南に峠を抜ける際ちょっとだけ上り下りがあります。
上りの手前に第1エイド。6km。
マイコップにスポーツドリンクを入れて飲みますが、周りのランナーはすっとばして行ってしまいます。
ここは止まってしっかり補給しましょう。
疲れたともいう(笑)
その後、島の南岸を西に向かう。
蒲刈大橋の手前に第2エイド。10km。
ここでもスポーツドリンクだけもらう。
その間に抜かれまくる(笑)
そして橋を渡ります。
ここは明るいので走りやすい。
ライトの光に頼って走ると目が疲れます。
渡り切って下蒲刈島へ。
本道を下ろうとすると、誘導のおっちゃんに
「こっちだよ、こっち!」
…と違う道を指さされる。
いや、めっちゃ激上りじゃん!
「いや、あまり上りは好きじゃないんですよ~」
「いいから頑張れ」
そんな、ひどい…
激坂はそんなに長くなかったけど疲れた。
あーもうやる気なくした!
ここから先がめっちゃ暗い。
しかもカーブが多く先がよく見えません。
もうちょっと明るいライトにすれば良かった。
6時過ぎてもこの季節だとまだ暗い…
今回ハンドライトとヘッドライト両方持ってきたのは良かったな。
片方だけなら危なかった。
そして島の外周道路へ。
時計回りに進み、第3エイド。18km。
トイレに行きたくなったので探すが無い!
聞いてみたらトイレはちょっと先とのこと。
素早くすませ、また走り出します。
なかなか次のエイドが見えない。
橋も見えません…飽きた!
20キロを越えたころからだんだん明るくなります。
25キロ手前でとうとう橋が見えたぞ。
安芸灘大橋だ!
橋の下をくぐるとエイド。
レモンジンジャーとかあったのでいただく。
…暑い!
ここでモンベルにはさよならです。
そのまま橋のふもとに。
信号に引っかかる。
青になったら渡って上ります。
安芸灘大橋です。
良い景色でしたよ。
結構長いですね。
1キロ以上あります。
一旦本土に渡り、料金所を過ぎたらすぐ折り返しです。
ここの折り返しで順位を数えていたら、大体25位くらいでした。
ま、そんなもんでしょう。
折り返してまた信号。
また引っかかる(ヲイ)。
さてさて、30キロ過ぎて…
2時間45分くらい。
脚にそんなに余裕はありません。
今回は本当にヤバいかも。
一体どうなってしまうのか?
とびしまウルトラマラニック中盤編
さて、30キロを過ぎると…
道が石畳に。
街並みもなんだか情緒ある商店街に…
へ~。
下蒲刈島にこんな場所があったとは!
美術館とか博物館もあるぞ!
歴史街道を抜けると蒲刈大橋の下に第5エイド。
ここのエイドではMCのお兄さんが
「ここのじゃこ天は必ず食べてくださいね~」
と言っていたので受け取って食べるが、案の定食べていたのは私だけでした。
止まって食べると時間が勿体ないので食べながら走るが、上手く呑み込めません。
ゲホゲホ…となってる間にやっぱり抜かれます(笑)
明るくなった蒲刈大橋を渡り、
第2エイドのあった道の駅から階段を下りて、橋の下をくぐる。
上蒲刈島の外周道路へ。
時計回りに走ります。
向かい風が出てきたな。
今日は風速4mだそうです。
ま、いつもの悲惨な超絶向かい風に比べると大したことはありませんな!
このころから何故かだんだんペースが上がり、キロ5分くらいで走れるようになりました。
???
なんかおかしいけどまあいいか…
意外と良いタイムが出るかもしれません。
40キロで第6エイド。
ここではカレーが出ました。
美味しそうでしたがさすがに食べられません…
ここでコーラを解禁してすぐ出発します。
あー平和だなー。
しかも脚がどんどん楽になります。
涼しいからでしょうか?
もしかして練習しない方が速く走れるのかな?
とかアホなことを考えていると46キロの第7エイドへ到着。
談笑の図(笑)
ここでもコーラを貰います。
そして非常食としてミカンを貰って出発します。
この作戦は本日の生命線になるのです!
エイドを出て気が付きます。
あれ、ここ荷物受け取りのエイドだったっけ?
しかしロスを恐れて泣く泣く進みます。
まあジェルを1個預けていただけなので、別に問題ないのですが(笑)
その後嫌々上って、大浦トンネルを抜け…
上蒲刈島とはしばらくお別れ。
豊島大橋を渡ります。
豊島渡って、下る途中に50キロの看板が。
やっと半分かい。
豊島を時計回りに走ります。
この島は上蒲刈島ほど大きな島ではありません。
53キロで第8エイド。
ここではおにぎりがありましたがさすがにパス。
胃の調子も良いのですがね。
先行ランナーたちがたくさん休憩してましたが、一気に抜きました。
というか、走っているときにはほとんど抜きませんが、エイドで殆ど止まらないのでそこで抜きまくっています。
さあ、次は豊浜大橋です。
渡り切ると55キロ。
次は大崎下島です。
もうね、ここまでくると今自分がどの島にいるのか訳が分かりません。
橋の名前も島の名前も似ているものが多いし、だんだん頭も疲弊してきます。
ようわからんけど、とりあえずあと45キロだな!?
とだけ心に刻み走ります。
しかし、この大崎下島が一番の曲者です!
この島意外に大きいんですよね。
そして次のエイドまで間隔が9キロあるんですね。(走ってるときは知りませんでしたが)
海岸線を走り、曲がっても曲がっても同じような風景が続きます。
一体何時になったらエイドがあるのだろう…
キロ5で走れたんですが、それでもここが一番きつかったですね。
62キロでやっと第9エイド。
ここでもコーラを貰い出発します。
何故かおみくじが置いてあったのですが、手は出さず(笑)
ここからは一緒になったランナーさんと2人旅でした。
エイドを出ると何故か海岸線ではなく山の方に案内される。
嫌な予感…
あーあ、やっぱり激坂が。
この大会の評価が一気に下がる(ウソです、いい大会ですよ)。
坂はいらんのだよ、坂は(笑)
これはキツイ。
しばらく無理して走っていましたが、ついにギブ。
一緒に走ってた方に聞くと、去年はこんな坂は無かったとのこと。
何故こんなコースを作ったの…
ちょっと歩きました。
激坂を上り切るとそこからはやや上り基調のアップダウン。
何とか走れる傾斜です!
上り切ったら景色が良かったのでパチリ。
しばらくグネグネ走ったら、側道へ。
おお!
ミカン畑スゲー。
畑を抜け、また海岸道路に出ます。
始めからここを走れば良かったんじゃない?(まだ言うか)
65キロを過ぎ、すっかりペースダウンをしたずっきー。
先を急ぐのでした…。
(急ぐといってもペースはがた落ちです!)
とびしまウルトラマラニック終盤編
いつになったら次のエイドにつくのやら…
と思っていたらまた古い町並みが。
御手洗地区というらしい。
何故か突然狭い路地に誘導され、エイドかな?
と思いましたが…
何もありませんでした(笑)
気を取り直して走り続けるとやっと70キロ…
そして第10エイドへ。
ここでは外に飲み物が…
中にうどんがあったらしいのですが…
飲み物だけもらって出発。
またごぼう抜きです。
しばらく走ると島や橋がたくさん見えてきた。
ここで左手にトイレ発見!
我慢できず飛込む。
そしていよいよ…
水浴び!
暑すぎます!
この日は14℃まで上がりましたが、走るならもう5℃低くても良いです。
天気も最高だしね。
水道で頭をビシャビシャにすると…
めっちゃ涼しい!
夏の水浴びが子供騙しに思えるほど超爽やか!
風が吹けば元気百倍!
水浴びは冬するものだったんですね!
ちょっと進むと橋の手前に第12エイドが。
ここは復路で寄りますよ。
平羅橋です。
渡ると平羅島。
たぶん無人島ですね。
そして中ノ瀬戸大橋を渡り…
中ノ島へ。
ここもすぐ通過して岡村大橋を渡ります。
中ノ瀬戸大橋と似てますが別物ですよ。
岡村大橋を渡ると…そこは愛媛県だった…
今治のようです。
なんか感動的。
岡村島は殆ど平坦です。
問題なく進みます。
折り返してくるランナーを数えていたら自分は9位っぽい。
よく上げましたね。
しかしまたエイドは前回から7キロ先…
あーしんどい、と思ったら折り返しの第11エイドでした。
姫子島神社というらしい。
ホットレモンがありましたよ。
この大会は柑橘系に溢れています。
ミカン大福とミカンを貰い、さあ出発!
来た道を引き返していくと80キロ通過。
岡村大橋を渡り…
中ノ島でも元気。
中ノ瀬戸大橋を渡り、平羅橋を渡り、大崎下島へ帰ってきた。
往きで見た第12エイドへ。
83キロ。
ここではなんとアミノバリューが!
私の大好物です。
「いくらでも飲んでいいよ」
と言われたのでがぶがぶ飲んでたら…
「アミノバリューはこの給水機の中だけなんよ」
「えっ、じゃあ一人で飲みすぎたらだらいかんのじゃ?」
「いいのいいの、早い者勝ち!」
まあ、それは自然の摂理ではありますがね、さすがに2杯でやめました(笑)
ここで2人抜きました。
さあ残り15キロを切ったぞ。
ルンルンで走ると…
すぐ次のエイド。85キロ。
やっぱり7位らしい。
そして…
このあたりで左足のマメが広がって痛くなってきた。
しかし脚は動くので、頑張って進みます。
豊浜大橋を渡って豊島へ。
橋で往路のランナーとすれ違ったのですが、反対から走ってきた私を見て
「忘れ物?」
と言ってたランナーがいました。
いやいや、ウルトラの最中に忘れ物しても戻らんでしょ。
というか、走ってる最中に忘れ物とかせんでしょ(笑)
豊島に渡ってすぐ第14エイド。89キロ。
「前のランナーは3分前に行ったよ、頑張って!」
という不要な(笑)情報をいただきます。
実は私、脚はまだまだ元気なのですが、あまりの練習不足でかなりふくらはぎが張っていたのです。
ここでペースを上げたらたぶん肉離れになると思い、泣く泣くキロ6にペースダウン。
90キロも過ぎ、無難にゴールを目指します。
豊島の南側をぐるり。
日が当たって暑い…
豊島大橋の麓で最終エイド。95キロ。
「7位だよ~、頑張って」
「順位はいいから早く終わって欲しいです~」
さて行くか…って結構な上りだね。
下ったときはあまり気にならなかったよ。
上り切って豊島大橋を渡り、大浦トンネルを抜けて、下る下る。
誰もいなかったので不安でしたが、下りきる手前に誘導発見。
「あと1キロだよ」
と言われるが、明らかに1.5キロはありました(笑)
海岸沿いを走り県民の浜に帰ってきた。
やったー!
9時間17分52秒でゴールでした。
ここ2か月で100キロも走ってなかったくせに、100キロ本番でこのタイム!
まさに天才的である!
練習してたら7時間台出てましたね、たぶん。
ま、それはさておき涼しいし基本平坦とかなり走りやすいコースでした。
制限時間も16時間と長いし、私が今まで出たマラニックの中では一番完走しやすいでしょうね。
雨が降ったら最悪でしょうが、晴れたら最高に走りやすい大会。
みなさんも来年出てみてはいかがでしょう?
ちなみにすぐそばに温泉がありますが、マラニック出場者はタダですよ~。