アシックス「サロマレーサーST」伝説のウルトラマラソンシューズ を発見!

みなさんこんにちは。

コロナが流行っていても流行っていなくても走らない今日この頃です。

さて、今回は面白いシューズを手に入れた、そんなお話です。

ある日近くのランニング用品専門店にふらっと寄ったのですが…
そこでシューズのワゴンセールがありました。

いろんなシューズがありましたが、この店も例に漏れず安いシューズは極端なサイズのものが多く、適当に眺めていましたが…

何か隅に見覚えのあるシューズが…
水色のド派手なカラーリング。

おお、サロマレーサーではないか!


正真正銘のウルトラマラソン用シューズ・サロマレーサーST

説明しよう。
サロマレーサーとはアシックスが数年前まで発売していた「ウルトラマラソン用」のシューズである。
ここで重要なのは「ウルトラマラソンに向いている」ではなく、本当に「ウルトラマラソン用」のシューズなところである!



タグにもちゃんとウルトラマラソンと書いてあります。
ウルトラマラソン専用のシューズなんて、私はこのサロマレーサーと、同じくアシックスのゲルサロマしか知りません。

ただ、残念なことにサロマレーサーもゲルサロマも(確か)2016年モデルを最後に廃盤。
(かつてはウルトラマラソン大会の前の方に並ぶと結構な確率でみんなこれを履いていたのである。)

しかしこのサロマレーサー、ウルトラマラソン用というだけあり、なかなか素晴らしい造りをしていました。

まず、定番の踵。



見るからに細いですが、見たまんま素晴らしく固定力が高いです。

ウルトラマラソンなどの長距離はできるだけロスを減らしたいものですが、これだけガッチリ固定してしまえばシューズの中で足が動くことはなく、疲れにくいです。

ちなみにミッドソールの踵部にはゲル緩衝材を使用しています。



踵の最後方から外側にかけて使用されていますね。

ちなみにアッパーのメッシュ素材もかなり通気性はいいですよ。
前足部はやや伸びる素材です。

このシューズ、かなり金がかかってます(笑)



これがこのシューズの唯一の欠点と言えるかもしれません。

ウルトラマラソンは基本踵着地で走りますから、踵にゲルを使用する意味はもちろんあります。

しかしゲルをわざわざ外側に見えるように設置するのは、どうしても着地時の安定感が落ちてしまうためマイナスです。

ゲルDSトレーナーやゲルフェザーグライドのように外から見えないように使用すればもっと安定感が増したんですが…

次に上から見てみますが…



中足部もかなりスッキリしてますね。

ホールド力も高いです。



そして特筆すべきはこのベルト!

ただでさえホールド力の高いシューズですが、ベルトでさらに微調整、ジャストフィットすることができます。

結んだシューレースをベルトで挟んで、ほどけないように固定することもできますよ。

そしてアウトソール。



先ほど上から見たほっそりとしたシルエットと違って、靴底は設置面がかなり大きくなっております。

シューズの底にいくほど面積が大きくなるんですよね。

これにより着地時の左右のぐらつきを防ぎ、安定性を高めています。

また、シャンクも外側を長くしており、安定性を高めています(ややクッション性が落ちますが)。

さて肝心のミッドソールですが…



ウルトラ用という割にはそれほど厚くないかもしれませんね。
素材はフライトフォームより柔らかいデュオマックスです。

さらに先ほど踵で見た通り、踵にはゲル素材が入っているのでクッション性は高いです。

このようにサロマレーサーは全体的にゴツめというかしっかりした作りをしているので、安定性は高いですが、その分やや重量はあります(27cmで260gくらい)。

ゲルフェザーグライドやゲルDSトレーナーの方が軽いでしょうね。

サロマレーサーSTの履き心地は?

さて、このようなかなりしっかりした作りのサロマレーサー、履き心地はいかがでしょう?

久しぶりに履いたのですが、まず踵の固定力が凄い。
ホント、これは他のメーカーも見習ってもらいたい!
ここだけは手抜きしてはいけません。

踵がガチっとしていると初めは走りにくく感じますが、やはり長距離の後半は違いますよ。

そしてアッパーのフィット性、ベルト調整でさらにアップ!
通気性も良し。

ミッドソールも厚すぎず、柔らかすぎずでいい感触です。

そして走ってみると感じるのですが、このシューズは前後でミッドソールの厚みの差を感じます。
前足部がやや薄く、そのためミッドソールが柔らかくても蹴り出しやすい。

踵で着地するとき → 踵はクッション性があるので衝撃を吸収してくれる。
前足部で蹴り出すとき → 前足部はやや薄く蹴り出し時のロスが少ない、さらにソールが柔らかめでダメージが少ない。

というサイクルですので本当に消耗が少ないです。

さらにさらに長所を言うと、全体のフィット性が高い上、前足部のアッパー素材はやや伸縮性のある素材であり、つま先も無駄に動かず指にマメができにくく黒爪にもなりにくいです。

今振り返っても作りが凝っていて、まさに安心してウルトラマラソンを走れる絶品だったのですが、やはり対象者が狭すぎたのでしょうね…

ウルトラマラソンを走る、しかもサブ10目指すランナーって一体何人おるねん!?

ランニングブームも少し落ち着いた中、ウルトラランナーは増えていますが、それにしてもちょっと時代を先取りしすぎたようですね。

このショップで売っていたのがあろうことかサイズ27cm!
私のジャストフィットではないですか!
速攻で購入を決めましたす。

それにしても小さな店で、マニアックにもサロマレーサーを入荷して、4年も保存していたとはね…奇跡ですな。

その後ネットで調べてみたら、現在も世の中に僅かに在庫は残っているようです。
特にサイズの小さいものはメルカリなどでも発見しました。

ウルトラマラソンの見本のようなシューズですので、皆さんも(難しいとは思いますが)発見したら是非履いてみてください。

もし見つからなかったら一応ゲルDSトレーナーが兄弟シューズ(もともとサロマレーサーはゲルDSトレーナーを元に作られました)ですのでそちらで我慢してください(笑)