韓国の「Jeju International Ultramarathon」に参加しました!

海外100キロウルトラマラソン初参戦記です。
ターゲットは2016年4月23日のJeju International Ultramarathon(済州国際ウルトラマラソン)100キロの部!
チェジュと言えば韓国のリゾート島。五島列島のお隣ですね。
まあ海外100キロマラソンのデビューとして最適でしょう(?)

さて前週、奥出雲おろち100kmウルトラ遠足で「島根ウルトラの神」への道を踏み出した翌週に早速寄り道です^^

うむ、JTBのツアー、大韓航空利用で行くことにしましょう。
チェジュ航空とかが安いらしいですが良く分からん…
中部セントレア→プサン→チェジュと乗り継ぎます。
日程は木曜日に到着。
金曜日に観光&前日受付。
土曜日に大会。
日曜日に帰る、の3泊4日です。

今回は心強い通訳が一緒ですよ。
韓国語ペラペラな私の伯母です。ちょとそそのかして連れていくことにしました。
のちにその凄さとありがたみを知る…

そして海外ウルトラマラソンの大変さ…
まずエントリーですね。
幸いにもこの大会は「国際」大会なのでそこそこ外国人も出場し、HPも韓国語版の他に英語版もあります。
それでも英語が大して解るわけでもなく、翻訳に四苦八苦。高校で使ってた辞書も引っ張り出してきました。
一応自分なりに解読してから英語の先生(知り合いランナー)に解読してもらう。
必須の携行品もありますし万全を期しましょう。

あとはエントリー費の支払い。
韓国の銀行に支払うため海外送金をしなければいけませんが、こちらも初体験。
送金先の住所なんて知らんし…
何故、マイナンバーがいるのだ?

そしてパスポート申請…
それらが重なり、とても面倒である。
すぐに嫌になった!

だがしかし、ここで諦める訳にはいかない。
「海外の100キロウルトラマラソンを完走したことがある」という事実があれば、きっとこの先の自信に繋がるはずである(?)。

(クソ忙しい4月に4連休と、職場からはボロクソ言われたものの)準備は整った!
あとは拙者の心次第…

高速バスで岡山駅から名古屋駅へ。
そこから名鉄でセントレアへ、伯母と合流。

昼過ぎに離陸し、プサンに到着。
機内で税関に提出するカードとかの記入に手こずるが、伯母は何度も行っているため非常に手際が良い。

さらにチェジュに乗り継ぎます。
ここまで韓国人との会話は全くなし。
このままではいかん!とプサンのカウンターで勇気を出してお姉さんに
「アンニョンハセヨ」と言ってみたら
「どちらへ行かれますか?」
とすぐに日本人とばれました…

もういいからチェジュに行きましょう。
コリアンエアの美男美女はみんな同じ顔だな…と思いつつあっという間に到着。

ツアーですので現地のガイドさんにホテルまで連れてってもらう。
ツアー参加者と言っても2組です。我々の他に1組だけ。
最近の日韓の関係上、日本人が減っているそうです。
日本からのチェジュの直行便も関空、中部、福岡からは無くなり、成田からの1日1便になってしまいましたからね。

そして、お世話になるホテルオリエンタルに到着。
三ツ星ですが、めちゃくちゃ大きくて綺麗です。
チェジュはカジノで有名ですが、このホテルにもありますよ。

向かいにはEマートという韓国のスーパーがあり夜中まで開いています。
22時を過ぎていたので晩御飯はそこで買い、ホテルで食べました。
Eマート内のスポーツ店にもシューズがありましたがやはりアシックスが圧倒的ですね。
アシックスGELコリアとかアシックスチェジュレーサーとかないかと見てみましたが、ありません(^_^;)
GT2000とかカヤノとかでした。

まあ、さっさと寝ましょうか!

☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆

さて、早朝におはようございます。
早速異国の朝を走ってみましょうか。

おお、ホテルオリエンタル前の景色…
全然異国っぽくない…日本って言われても分からん!

では、チェジュ島を走って探検してみましょう。
宿泊したホテルオリエンタルからは海が近いため見に行きましょう。
ついでにスタート地点も見てきましょうか。
元々スタート地点が近いからここを選んだんですけどね。

ちょっと南国っぽいけどやっぱり外国って感じはしません。
朝6時に飛び出したので人通りは少ない。

チェジュ島で有名なトルハルバンもフツーに街中にいますよ。

300mくらいでスタート地点のJeju Tapdong Parkに到着しました。
前日だから、もしかしたら何か準備できてるのかな?と思いつつ廻ってみるが何もなし。

どんな感じで設営されるのか?

そこから海岸に出ます。
注意書きのハングルを見ると異国に来たな…としみじみ思います。
言葉の通じない国で100キロ走るって、凄いかアホかのどちらかだと思います。

歩道がありました。散歩中の方がたくさんおられますね。

韓国に詳しい知人から聞いたのですが、韓国は健康ブームでウォーキングが大人気とのこと。
じゃあランナーはどうしてる?ってなりますが走る人はジムなど屋内で走るようです。
確かに歩く人は多いが、走っている人は一人もいませんね。

韓国語は読めませんが魚料理の店でしょうか。
チェジュの海産物は日本人にはそれほど美味に感じない…との噂ですがどうでしょうかね。

岬まで行って帰ってきましょう。

振り返ると大きな建物が建ってるなあ、と思ったけど全部ホテルでしたね(笑)

4、5キロくらいですかね。
十分チェジュを満喫(?)しました。

ホテルに戻って朝食を済ませ伯母と観光に出かけます。
さあ、どこに行くかですが…

説明しよう。
チェジュ市の観光地は、旧済州(クチェジュ)、新済州(シンチェジュ)、東の郊外地区と大きく3つに分かれています。
島南部のソギポ市はまた別に観光地があるのですが。
そのうちクチェジュには歴史を感じさせる史跡や博物館が、
シンチェジュは大型ホテルやショッピングセンターが立ち並び買い物などにもってこい、
東部は鍾乳洞やトレッキングコースがあります。

で、自分はそもそも史跡めぐりとかが一番好きなので当然そちらに回ります。
というか、そのためにクチェジュにあるホテルオリエンタルを予約したのですが^^

長い前置き終わり。
まずは竜岩石に向かいます。
きっと竜の形をした岩なのでしょう。
途中吊り橋を渡る。

あっという間に着きました。
おお!凄いぞ!
いえ、岩じゃなくて観光客がウジャウジャいますよ。
多分中国人でしょうね。お土産屋さんで爆買いしてますよ。

岩自体は控えめです(笑)

さて、次は済州牧官衛に向かいます。
李氏朝鮮時代のチェジュの総督府跡です。私はこういうとこが非常に好きですね。
韓国の歴史は知りませんが…

先ほどの竜岩石の100分の1くらいしか観光客がいません…(笑)

のんびりしてます。

各ブースの説明文は韓国語、英語、中国語は必ずありますが、日本語はあったりなかったり。

どうせ来るなら韓流ブームに乗ってれば良かったね。

コスプレコーナー。疲れ果てた為政者ですね。

さあ次の目的地に向かいます。
と、その前に腹ごしらえ。
イカと辛い麺みたいなの。

辛いアナゴ丼みたいなの。これは美味かった!

そして国立済州博物館に到着。めちゃデカです。

本日は無料デーとのこと。
チェジュの成り立ちと歴史や出土品が多数。
日本語の説明は殆どないので必死で英語を解読します。
いや~、チェジュを十分満喫しました。

では、そろそろマラソンの受付に向かいましょうか…

タクシーで新チェジュにある受付会場のNew World HOTELに向かいます。
タクシーの運ちゃんに伝えたら分からんかったのでロッテホテルの向かいと伝えたら通じました。
ロッテホテルは韓国内でも有名ですからね。
それにしても伯母の韓国語はよく通じる。
タクシーの運転はカーチェイスみたいでしたね。噂には聞いてたけど荒っぽすぎます(笑)

そこそこ遠いはずなのにあっと言う間に着きましたよ。
ニューワールドホテルはちょっと暗い感じのホテルでした。
外国のマラソンの受付…
それはどんなものなのか?
うーん、見た目の雰囲気的には日本とそんなに変わらないです。
部門ごとに受付テーブルがあって、参加賞のウィンドブレーカーが箱に入ってます。

写真撮影用のパネルに日本が無いのは日韓の関係からでしょうね。意図的かな…
個人レベルではともかく国家レベルでは仕方ないか。

受付対応は面白かったです。
私が外国人と分かると、途端に慌てだし別のスタッフを呼び出しに行く。
と、ひげの男性が現れ「Hello!」
ほうほう、外国人参加者の担当者がいるんだね。
英語なら何とかなる!たぶん…

で、まずエントリーリストを見せられる。
うーむ、どこかな?
おお、あった!外国人は後の方にまとまってるじゃないか。
それを教えてくれれば良いのに(笑)

で、チェック終了。
で、そのあとtallだのsizeだのと聞かれる。
どうやら参加賞のウィンドブレーカーのサイズを聞いているらしい。
で、「M」と伝えたら、Mを持ってきてくれ「Please Wear it.」
ええ~、この場で試着するの!?
あまりこだわりはないので小さめでも大きめでも良いのですが…まあ着てみる。
ぴったりでしたね。韓国人は背が高いからどうかな、と思ったけど意外でした。

で、説明会が18:00からあるからまた来い、と。
?????
ゼッケンとかはないのだろうか?
いやいや、あるだろう。
聞いてみる。ちなみに「ゼッケン」は日本でしか通じません、英語では「bibs」ですね。
とたんにひげさんが慌てだし後でごそごそする。
待つこと5分…
どうやら自分のゼッケンは無いらしい!おいおい…
という訳で、「トレイルランニング80km」用のゼッケンにマジックで自分の名前を書き、代理ゼッケン完成!
この大会、ロードの200キロ(黄色)、100キロ(ピンク)、50キロ(青)、韓国最高峰ハルラ山に上るトレラン80キロ(オレンジ)の4種目がありますが、ピンクの余りは無かったようで…自分だけ100キロなのにオレンジ。嫌な予感がしますね。
だがこの適当さ、イイね!

たぶん韓国人は参加賞にうるさいのでしょう。

で、18:00にまた来いと。
いやいや、計測チップは?
またもや、スタッフ大慌て。
自分用のものは一切準備されてない訳なので、新たなチップに設定をしてくれたよう。
不安だ。大丈夫だろうか?

まあいいや。
とりあえず晩御飯を食べに行きましょう。
旧チェジュに較べてハイカラ(?)な店が多いですね。

焼肉屋に行くがとりあえず量が多い。辛い。

韓国では金属のお盆みたいのをよく見ます。

さて、説明会に参加。ホテルの食堂に戻ります。
ひげさんにちゃんとご飯食べたか?と聞かれます。
テキトーですがいい人ですね。

説明会開始。

韓国語ですから全く分かりません。
…うーむ…ふーむ…むむむ
結局微塵も分からないまま韓国語の説明終了(つД`)ノ
その後外国人だけ集まって英語で説明を受ける。
ひげさんが英語で説明してくれるが殆ど分かりません。
参加者リストによると他の国の参加者はアメリカ、マレーシア、香港、イギリスなど。
どこもフツーに英語話してる国ばかり。なんてハンデだ。
ひげさんがジョークを言ったらしくみんな笑ってましたが全然分からん。分かったふりして笑いましたが。
かろうじて分かったのはコース上には矢印が書いてあるのでそっちに進めってことだけでした。
おそらく後半は単独走になるため気をつけないと。

やれやれ、めっちゃ疲れた。
と、食堂を出ると何か大きな声の男性がやってきた。
「いた~、こんばんは!」
↑は翻訳されたセリフではありません。
明らかに日本語を話してます。
「日本から来た人がいるって聞きました。私は横浜に3年住んでました。」
おお!これは心強い味方!カンさんというお名前のスタッフさん。

よく分からないことがあったので聞いておく。
「ゴール行きの荷物を預けるにはどうするんですか」
「明日の朝ここで預かるよ~、ここに泊る?」
どうやらランナーの殆どはニューワールドホテルに泊り、朝荷物を預けバスでスタート地点に向かうようである。
「クチェジュのオリエンタルに泊ります」
「スタートに近いね。スタートで預かるよ!」
日本語上手。助かった~
「あと、暗くなったら気をつけてね、ライトがいるよ」
「チュンムン(中文)は分かれ道が多いから迷いやすいよ」

説明しよう。
チェジュ島を北から反時計回りにぐるっと回り80キロ過ぎがチュンムンと言う町です。
外国人が別荘を買ったりといったリゾート地ですが大きな町なので交差点が多い。
暗くなったらコースが分かりにくくなる、ということらしい。
制限時間15時間なのでスタートが6時、ゴールは21時。
確かにギリギリなら暗くなりますね。

「何時間で走れるの?」
「10時間くらいだと思います」
「え~!それなら大丈夫。まだ明るいから」
「でもライトは必ず持たないといけないんですよね?」
大会要項に携行必需品とあります。
そんなに速いならいらないよ~。朝はもう明るいし。大丈夫、いらないいらない

ルールに背いていいのだろうか…?
まあ良いというんだからいいんでしょう。

お礼を言い、暴走タクシーに乗りオリエンタルに帰る。

さて寝る前にやることが…
「こんにちは」「ありがとう」「水ください」「脚が痛い」「日本人です」
の5フレーズを韓国語でメモに書いておく。
一応覚えましたが忘れたら見れるようにします。

ではとっととお休みなさい。
一体翌日どうなってしまうのか?

☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆

さてさて、いよいよ本番。
Tapdong Parkに向かう。1時間前には到着しました。
おお、ちゃんと設営出来てるじゃないか!

まずゴール行きの荷物を預けるためにそれらしき場所を探す。
さあここで通訳の出番だ!
伯母に聞いてもらって無事預ける。
しかしここで預ける人は殆どいないよう。

そして、スタートを静かに待つ。
…と思ったら賑やかな韓国人が話しかけてきます。
なんだこの人は!と思ったら、シューズに付けた計測チップを指差して何か言ってる。

お~い、通訳さ~ん。
伯母に話を聞いてもらう。
計測チップの上に紐が掛かるとちゃんと計測出来ないことがあるよ、と。
なんて親切な人だ。疑って(?)ごめんなさい。
キムさんというらしい。
でキムさんのお連れの女性が大きなカメラを持ってる。
どうやら一緒に撮ろうと言ってくれているらしい。

でキムさんとパチリ。
写真がすぐできる奴ですね。日本でも何年か前に流行ったような。自分、ゼッケンがかなり上に付いてますね…

韓国の人はテキトーですがお節介親切な人が実に多い。
みなさんありがとう。

さて、いよいよスタートですね!

さて101.4キロの旅がスタートだ。
公認大会のくせに100キロじゃないとかテキトーすぎです。

北から反時計回りに島を半周。サッカーワールドカップスタジアムがゴール。
標高差は180mで、それもおそらく大して急でもないはず。
安定して走れるでしょう。
200キロの部と較べれば楽なもんです。

まずはクチェジュの街を抜け海岸沿いに向かいます。
先ほどのキムさんが凄い勢いで飛び出していきました。
そう言えば彼はペットボトルを片手に持ってただけで、後は何も持ってなかったけど大丈夫だろうか…
自分は一応ライトや携帯電話は携行必需品なので持ってます。あと、旅の指差し会話帳も(笑)

海岸に出ます。
どうやらチェジュは火山活動で出来た島のようですね。
溶岩みたいな岩がゴロゴロしてます。

コースはチェジュを走る幹線道路からちょこちょこ海岸沿いの小道に入るといったのを繰り返します。
誘導もないので前の人についていきますが、最初はなんでそっちに行くのか分かりませんでした。
まあいいか。

しばらく走るとトレランの部の人がいなくなり、50、100、200の部のみになります。
とたんに周りのランナーからやたらと話しかけられるようになりますが、何を言ってるのか全く分かりません。
英語で聞いてみますが、どうも理解できないよう。
まあそれはおいらの発音が悪いのでしょうが。

しばらくすると大会の巡回車がやってきました。
オイオイ、明らかに自分を目指してくるじゃないの!!!

自分の目の前に停車。
なんか止まれと言っているよう。
そしてゼッケンを指差し、後を指差し…険しい顔でまくしたてる!
はあはあ、そうか~
おいらのゼッケンがトレランの部のオレンジ色だからか!
「No. I join one hundred km course.」
とか言い、マジックで書かれた「100km」を指差してみる。通じてくれ~

どうやら通じたよう。
ニコニコで手を振り行ってしまった。
みんなが話しかけてきたのもそれなのね。

そもそもちゃんとエントリーしてるのにゼッケンが無いのはあなたたちのミスでしょうが(笑)
少々のタイムロスは全く気にしないから良いけど^^
韓国人はテキトーですがお節介で良い人が多い。

韓国は結構道端に公衆トイレがありますので安心です。
ただし途中で立ちシ●ンしてる人も見ましたが。

エイドは約10キロ毎です。
チョコパイとか飴とか日本と同じですね。
怪しげな水色の液体も置いてありますね。味はアクエリアスっぽい。
出発前にみんなが心配していた(やたら聞かれた)
「エイドはキムチとかですか?」
という質問はNoということになりますね。そんなものはありません(笑)
いくら韓国人がキムチ好きでもマラソンの途中では食べないだろう…

10キロ水無しは辛いので、スタッフさんにペットボトルに入れてもらいます。
「どのくらい?」という感じで指差されたので
「Half of bottle, please.」
って言ってみたら満タンで入れられました。
自分の発音が悪かったかな…

やっぱり異国を走るのは面白い。
韓国は道端にやたら横断幕があったり、コンビニは「GS25」しかなかったり。
信号が赤になって止まったら後ろから来たランナーに手で「行け」と言う感じで誘導されました。
どうも「車が来なかったら行けばいいよ」ということらしい。
でも、本当にイイの?

30キロ過ぎ。
もう単独走ですよ。
広い国道を走っていたら斜め左に分かれ道がありました。
その手前に青の矢印と黄色の矢印があり、斜め左に向いています。
うーむ、これはどっちに行けばいい?
ガリレオ風に言うと、さっぱり分からない。

3分待つ。
後ろからランナーが来ましたよ。疲れて休憩するふりをして様子を窺う。
ふむ、矢印を無視して真っすぐ行きました!
ガリレオ風に言うと(しつこい)、面白い、実に面白い。

しばらくついて行くことに(笑)
おっと、今度は右に曲がったぞ。
そこにあったのは、白い矢印…
なるほど!
謎は全て解けた!
昨日ひげさんがホワイトアローがなんとかかんとか言いながら写真を見せてくれたな。
白い矢印のみ気にして、それが無ければ真っすぐね。
そうと分かればもう怖いものはない!

自信満々で走り続ける。
やっぱり海外は色んな事があるし面白いね。

そんなこんなで小雨ぱらつく中、あっという間に中間地点の50.8キロに到着。
50キロの部のゴールでもあります。
4時間53分。うむ、サブ9は無理ですね!

うーむ、初海外ウルトラマラソン。後半、一体どうなってしまうのか?

50キロを過ぎ、だんだん雨が強くなってきます。
そしてとうとう異国の地で単独走になりました。

相変わらず海岸に行ったり戻ったり。
そして53キロ付近で朝写真を撮ったキムさんが失速しているのを発見。
かなりバテバテの様子。あの勢いで行ったらなあ…

(もちろん英語で)お礼を言い、抜く。
キムさん笑顔でしたがかなり辛そうです(;д;)

その先、さらに前方に別のランナーを発見。
一人は怖いので距離を取りついていく。
これで安心安心、と思いきや…
しばらくすると何かの屋台に寄って買い食いをしてます。

嗚呼…
また抜いてしまったよ。

仕方なくまた1人。
60キロのエイドに来ましたね。
ここのスタッフさん、遠くから騒いでます。うるさい(笑)
近づくとYeah~と出迎えてくれました。
「アンニョンハセヨ~」
「Are you from , where?」
なんと、韓国人でないとすぐばれた!何故~!
「Taipei?」
「No, I’m from Japan !」
やっぱり中国人ぽくないのかな?日本人と台湾人は雰囲気が似ているのだろうか。

そしておっちゃんが有無を言わさずソーセージを出して来て「食べろ」と。
ありがとう、うーむでもビニールが剥けんぞ。
なにやってんだよ、貸せという感じでひったくられ剥いてくれる。
はい、ご馳走さま!
と、もう一本剥いてくれ「食べろ」と…
ありがとう(笑)

さあ行くか。
と、女性スタッフが「コーヒーいる?」って聞いてきたので
「No, thank you.」
と言ったら
「OK~!」
となみなみと注いでくれました。
まあいいか(笑)、はいご馳走さま。

さあ行くか
と、何やらリュックを指差して何か言ってる…
どうやら「リュックの下ベルトが緩くて走りにくいだろう」と言ってるよう
有無を言わさず勝手に縛って長さを調節してくれました。

ここまでくると出発が寂しくなりますがお礼を言ってさあ出発。
反日とか個人レベルでは感じないよなあ…

しばらく進んで65キロ、67キロで1人ずつ抜く。
そしてここからゴールするまで他のランナーと会うことは一度も無かったのである。

70キロのエイドの方は
「コーラ飲んでって、美味しいよ」
と言ってくれましたが、60キロのエイドに較べたら、なんて控えめな方たちだろうと思ってしまいました。

ここからは草原や丘を越えるような感じ。馬もいました。
進路の矢印が全くないので、心配しながらも真っすぐっぽい道を選んで進みます。

80キロを過ぎ再び海岸沿いに。
どうやらここは観光地らしくめちゃくちゃ中国人がいます。
ぶつからないように気をつける。
そして、何だかお腹が痛くなってきた。

トイレはないか?
そう言えば50キロ過ぎてから一度も見てない…
ここでトイレが見つからなかったらおしまいですね。
観光地だからあると思うけど

と、左手に…
あったー!
なんてラッキーな。強運すぎますね。
しっかり用を済ませ、さあそろそろラストですかね。

チュンムンの街に突入。
リゾート地だけあって大きな家がゴロゴロ。
そして凄い交差点。
とにかく案内の矢印がないときは真っすぐぽい方へ。
あるときはそちらへ向かいますが、例えば行く先が5叉路くらいになってるとどちらが真っすぐか分かりません。
矢印の上に立ち、目線をそちらに向け、たぶんこっちだなと言う方に進みます。
さらに信号も多く、車も何故か赤でも突っ込んでくるので神経使ってさらに疲れます。

やっとゴチャゴチャの街並みを抜けたと思ったら上り坂と豪雨!
坂は良いけど雨は前が見にくい、ヤバいくらいの量です。
ちなみにこの日は韓国本土も日本全土も晴れていたのですが、チェジュだけ豪雨でした(。´・(ェ)・)

雨をくぐりぬけ最後のエイドへ。
水と飴を頂き突き進む。
あとはほぼ真っすぐソギポ市のワールドカップスタジアムを目指すのみ。

雨が程々になってきたので涼しくてむしろ走りやすい。
このあたり新興住宅地らしくやたら山が切り崩されています。
右手にスタバが見えたらあとちょっと!
スタジアムにはどっから入るんだ?大きすぎてよく分からなかったが真っすぐ先にスタッフの姿っぽいのが見える!
そうだ、矢印が無ければ真っすぐだった。

あっ、伯母さんもいるぞ。
カンさんもいた~!騒いでます。
ゲートをくぐってゴール!

の前に「止まれ!」と
えっ…
ゴール前で止められ、メダルを掛けてもらいポーズを取れと。
やむなくバンザイしたりピースしたり、伯母さんも一緒にパチリ。
さらに花束持たされパシャパシャ撮られました。

この花束は貰えるのか?
と思いましたが回収(笑)

やっとの思いで計測マットの上を通過させてもらいました。
9時間44分くらい。随分ゴール前でロスしましたがまあ良いでしょう。
しかし公認大会で写真撮影のために止められるなんてね!
でも伯母さん、カンさんありがとうございました~!

さてゴール後、カンさんが、
「好きなだけ食べたら良いよ、お母さんもどうぞ~」
と、給食コーナーへ。
伯母を母と勘違いしてますが、まあ普通はそう思いますよね。

例の銀のお盆系にキムチが死ぬほど乗ってます。
でも御飯もありました。やっぱコメが食べたかったのである。
伯母に話を聞くと、伯母は昼過ぎからゴール付近でウロウロしてたらしいですが、カンさんが14時過ぎくらいから、
「まだ来ない?」
と何度も顔を出してくれたそうです。
まるで息子を心配する父親のようだったらしい!
6時スタート、10時間くらいでゴールするって言ったんだから、まあ16時付近になると思うんですが、とりあえずありがとう。

どうやら男子4位、女子を含めると5位だったようです。
3位に入れば賞金がありましたが(笑)
どうやら韓国ではサブ10はメチャクチャ凄いことのようですね。

で、タイムですが…
カンさんが「何時くらいにゴールした?」
と謎のセリフを言います。うーむ???
「ゴール前に着いたのは9時間42分くらいだったと思います」
「いや、もうちょっと早かったと思うよ。よし、9時間41分30秒にしよう!」
ま、まさか…
そういえばゴール後タイムを気にしてたな。

ゴールのスタッフのところに行ってパソコンをいじってる。
「変えといたよ~。記録書は韓国語と英語の名前、どっちが良い?」
むちゃくちゃするなあ。何度も言いますが、これは公認大会ですよ。
朝キムさんがチップの付け方教えてくれたのは結局意味がなかったということに。

名前はやっぱ韓国語が良い。韓国の大会だからね。
「えーと、ずっきーの文字は韓国語だと…」
カンさんが悩んでたら伯母がささっと
「ペン貸して。こうですよ」
と書いてくれました。か、カッコイイ…
そして、完走証完成!

完走証を受け取りサウナに入って(スタジアムの地下に風呂があるのです)
そろそろお別れ…
「また来てよ、私もまた日本行くよ!」
「ありがとう、また来ます!」
と最後までテキトーだけど笑顔が素敵なカンさんでした。

ソギポからクチェジュまでバスで帰りましたが…
凄い運転です。100キロ近く出して際どいコーナーをグイグイ行きますね。

何から何まで初体験。恐るべし大韓民国。
そして無事、日本に帰ってきましたよ~。