ウルトラマラソン完走を目指す…フルマラソンとどう違う?

こんにちは~。
ウルトラマラソンの経験値だけは高いずっきーです。
無駄に多い経験値を活かしてウルトラマラソンを攻略論を見つけていきたいと思いますよ。

ウルトラマラソンって大抵100キロのこと

まず、「ウルトラマラソン」という言葉ですが、定義上では「フルマラソン以上の距離のマラソン」ということになります。
つまり42.195キロより長い距離の大会は、43キロでも100キロでも1000キロでも厳密には全てウルトラマラソンなんですね。

ただ、世間一般で言うウルトラマラソンとは「100キロマラソン」のことを指すことが多いです。
「ウルトラを完走した」とか「ウルトラマラソンサブ10」とかいう話を聞いたら、大抵は100キロのことです。
ですからこのブログでも基本は100キロマラソンについて扱います。

ウルトラマラソンっていつどこでやってるの?エントリー方法は?

まずウルトラマラソンっていつどこでやってるの?
という話になりますが…
答えは、国内各地で年中色んな大会がありますよってことになりますね。
6月開催、フラットで涼しく走りやすい「サロマ湖ウルトラマラソン」。
10月開催、日本最後の清流とともに走る「四万十川ウルトラマラソン」。
などなどです。
今はウルトラマラソンも人気のようで、フルマラソンのように抽選になったり、先着順の大会は1時間も経たずに締め切りになったりします。さすがに東京マラソンのように倍率10倍とかはないですが(*´ω`)┛
100キロだけでもおそらく年間20大会以上あるでしょう。

大会に出たい場合はランネットやスポーツエントリーでエントリーする大会が殆どで、大会公式サイトからエントリー、というのはあまりありません。

ウルトラマラソンはフルマラソンよりずっと厳しい

42.195キロを走ること。
世間一般ではフルマラソンを完走するだけでも凄いことです。
ランニングクラブに入ったり、周りの人間がランナーだらけになるとだんだんそういう意識が希薄になっていきますが…
そのフルマラソンの2倍以上の距離を走るウルトラマラソン。
しかし困難さはおそらく3倍以上です。
こちらを完走するなんてマラソンをしない人からしたら変●レベルです。
ちなみにウルトラマラソンの世界では「●態」とは褒め言葉であり、そう呼ばれることはウルトラ界最高の栄誉です(?)。
では、ウルトラマラソンの厳しさとは具体的に一体どんなものでしょうか…

ウルトラマラソンの制限時間は14時間くらいが多い

まず制限時間。
ウルトラマラソンはどのくらいの時間で走らなければいけないの?
ってなりますが、制限時間は大抵13時間か14時間です。
隠岐の島ウルトラマラソンみたいに14時間半のコースもありますが、それは稀な例です。

また「マラニック」(マラソン+ピクニックの意味)や「遠足」と名がつく大会は順位やタイムは競わず制限時間は15時間や16時間と長いものが多いですが、その分エイドが少なかったり、コースが走りにくいなど厳しい条件であることが多いです。

そして100キロを14時間で走るとはどういうことか…
例えば、制限時間14時間のコースを14時間で走ろうとしたら1キロ8分24秒で走らなければいけません。
1キロ8分24秒ってかなりゆっくりですよね。
むしろこのスピードは走ったら簡単に超えてしまいます。歩きが入ってこそのスピードです。

しかし…フルマラソンを見てみましょう。
東京マラソンの制限時間は7時間。
フルを7時間掛けるということは、1キロ9分57秒です。
なんと、100キロマラソンより距離が短いのにペースが遅い。
そして私の住んでいる岡山のおかやまマラソン。
こちらは制限時間6時間。ペースは1キロ8分32秒。

フルマラソンをたとえ制限時間一杯に使ったとしても完走出来ればそれはとても凄いこと。
世間の認識はそうですが、ウルトラは距離が倍以上でかつ完走ペースがフルマラソンよりも速い!
完走するのはとても大変なことなんですね。
ちなみに100キロ13時間制限なら1キロ7分48秒。
制限時間が1時間違ってくると更に難易度が増します!

今は単純に距離とペースでフルとウルトラを較べてみましたが、もちろんそんな単純なものではありません。
ウルトラはフル地点を通過してさらに58キロ弱走る訳ですから、疲労も痛みも積み重なり終盤の辛さは相当なものです。

その辛さを乗り越え完走したランナーはやはり特別な達成感を得られると思います。
達成できる者…ウルトラマラソンの完走率は40%台から70%台であることが多いです。

意外と高い印象ですが、それは歴戦の強者が参加するからこその数字。

フルマラソンと較べてウルトラマラソン完走が困難な理由はまだまだあります。
見ていきましょう!

ウルトラマラソンコースは坂だらけ!

まずは坂。
フルマラソンは私の認識ではほぼ平坦です。
多少のアップダウンはあるかもしれませんが大会ごとに大きな差がある訳ではないと思います。
もちろん乗鞍天空マラソンみたいに標高差が1000m以上ある大会もあるにはあります。
でも殆どの都市マラソンは比較的平坦です。
東京マラソンで3時間、大阪マラソンも3時間だったとして、東京の方が大阪よりアップダウンがあるから(仮の話です。実際はどちらがキツイか知りませんよ)同じタイムだとしても東京マラソン3時間の方が価値がある…というのは聞いたことがありません。

しかしウルトラマラソンは実力の差も当然タイムに影響しますが、コース差の影響も非常に大きいです。
かなり平坦で殆ど平原なサロマ湖ウルトラマラソンと、標高差も1000m以上でアップダウンが容赦なく続く野辺山ウルトラマラソン。
サロマ10時間と野辺山10時間の価値が同じだとはとても思えません。
明らかに野辺山を10時間で完走する方が難易度が高いです。

ですから、完走したい大会があればそのコースの高低を考慮しなければいけません。
どのコースを走ってもそれほど差が出ないフルマラソンと違い、ウルトラマラソンはその大会のコースがどのくらい平坦か、ということがとても重要になります。

あと、意外に気にした方が良いのが坂がある距離。
同じ傾斜・同じ長さの坂であってもそれが10キロ地点と90キロ地点では大違い。
当然後ろに来れば来るほど難易度は高くなります。
下手したら後半の坂では歩きだしたゾンビの行列ができます…

そして残念なことにウルトラでは高低差の大きい大会が殆どで、平らな大会はあまりありません…無念。

ウルトラマラソンコースはわざわざ暑い時期に走る!

フルマラソンは大抵涼しい10月後半から3月、遅くとも4月くらいまでの開催、ということが多いですよね。
しかしウルトラマラソンのシーズンは全く違い、4月から6月と9月、10月が多いです。

そうなってしまうのはウルトラマラソンの環境条件に依るところが大きいと思います。
フルマラソンであれば朝9時からスタートし制限時間6時間なら午後3時に終了。
暑い季節ならたまったものではありませんが、幸いにもフルマラソンを行うのはとても涼しいシーズンです。
よって寒すぎず、暑過ぎず、快適に走れるでしょう。

しかしウルトラマラソンは全く違います。
多くの大会が午前5時ごろにスタートし、制限時間14時間なら終了は午後7時です。
例えば、真冬の12月や1月にその時間で開催されれば極寒の中での行動になります。
たとえスタートが5時だとしても、準備は当然それより前の時間、起床はさらに早い時間です。
冬の寒い時間の真夜中にそんなことをしていたらスタート前にみなさんギブアップですね。
また冬は日が短いので朝夕の運営も大変ですよね。
もちろん真冬の大会もありますが、その場合は沖縄などかなり暖かい地域で開催されることが多いです。

その点6月であれば午前5時でも午後7時でも陽が出ています。
朝夕の気温もそれほど低くなく行動しやすいでしょう。
ただし、です。
スタート時と日中の気温差はとても大きくなることが多いです。
朝昼の温度差が10℃なんてざらにあります。
さらにには日中の気温が30℃を超える中走ることも…
そうなると逆に暑過ぎて辛いですね。
暑い中いかに安定して走れるかが大事になります。

また、後半に歩きだしてから辛いのが雨。
ウルトラマラソンは時期柄、寒さ対策についてはあまり心配しなくてもいいのですが、雨が降りだしたら状況が変わります。
もちろん最初から最後まで走りきれる人はあまり寒さや雨を気にしなくても良いです。
走り続けていればそれほど寒くないので。

しかし後半歩いてしまう人にとっては雨は鬼門。
気温がそれほど低くなくても、雨が降る中脚が止まってしまうとやはり寒いです。
最悪なのが標高の高い大会で終盤、夕方になってから上り坂で脚が止まってしまったときに豪雨、というパターンです。
で、困ったことにこういうシチュエーションがよくあるんですね。

という訳で自身の実力を踏まえた上で装備については良く考える必要があります。
幸いにもウルトラマラソンはコース途中に荷物を送れることが多いので、スタート時の装備と合わせてよく考えましょう。
このあたりもウルトラの深いところです。

さあ色々お伝えしましたが、まだ続きますよ!
まだあるの?という方、ありますよ。
まあ坂や気温に較べれば大したことはないですがね。

ウルトラマラソンは基本交通ルールを守って走る

こう書くとフルマラソンが無法地帯みたいですが…

まず私の知る限り10キロやハーフやフルで信号に引っかかるというのは記憶にないし、他人からそんな話を聞いたことはありません。
普通、マラソンでは交通規制が入ります。

しかし、ウルトラマラソンでは大会によっては普通に赤信号で止められます。
正直言って疲れてきているときはまだ良いです。
休憩と割り切れば(それでも走りのリズムが崩れる気がしますが。)
序盤で引っかかり、後から後から渋滞を起こすのは正直苦痛です。
タイムにめちゃくちゃ影響する、ということはないと思いますが慣れてない人にとっては走りにくいと思います。

まあ運営する側としても制限時間が14時間とか長いし、100キロという長区間を交通規制は難しいでしょうからね。

ついでに、路面について。
フルでは交通規制されるため、おそらく車道を走れることが多いと思います。
しかしウルトラでは歩道があれば基本的に歩道を走ることになります。

はっきり言って走りにくいことが多いです。道路の脇なので段差があったりデコボコしたり。
正直、歩道が無ければ車道を走れるのでラッキーですね。
これもタイムに大きく影響するとは思えませんが、歩道を走るのはやはり脚を痛めやすい気がします。

ウルトラマラソンは食べながら走るもの!

最後に補給です。
100キロウルトラマラソンの世界記録は6時間9分です。
我々凡人にとっては100キロは10時間切りでも凄いとされる世界です。
殆どのランナーが12時間台や13時間台で走るのです。

その間、一切食べずにはいられません。必ず食べます。
フルではサブ3クラスなら食べずに水分補給だけでゴールしてしまうランナーもいますけど。

幸いにもウルトラのエイドでは食べ物を用意している大会とエイドが殆どなので、きちんと補給しながら走ればエネルギー切れはあまり心配いりません。
そしてエイドで立ち止まらないガチランナーもエナジージェルを持って走れば良いので(多少重くて気になるかもしれませんが)まあ問題ないでしょう。

しかし胃腸の弱いランナーにとっては試練があります。
走り続けることで気持ち悪くなることがあるのです。
そうなるとなかなか食べ物を受け付けられません。
しかし走り続けるにはエネルギーが必要です。
結局、気持ち悪くなる→食べられない→脚が動かない→リタイア
という方程式が成り立ってしまいます。

例えばフルなら30キロで気持ち悪くなったけど、残り12キロをなんとか頑張った…とかできるかもしれません。
しかし100キロマラソンの30キロ地点で気持ち悪くなったら、残り70キロを一体どうしたら良いのか?
もちろん途中で回復する可能性もありますが、フルマラソンより遥かにリスクがありますよね。

と言う訳で、ウルトラマラソンがフルマラソンに較べていかに走るのに不快適か(涙)を解説してきました。
ホント、ウルトラって面倒くさいですよね。
マメな人に向いていると思います。
やめるなら今のうちですよヾ(o´∀`o)ノ

ウルトラマラソンのいいところは…のんびりしているところ!

でも、ウルトラならではの良さ、楽しさというのももちろんあります。
ウルトラマラソンの厳しさをつらつら述べてきましたが、せっかくなので良い所もご紹介します。(あるの?)

ウルトラマラソンの最大の長所は全てにおいてのんびりしているところ。
エントリーやら受付やらスタートやら走っている最中、全てそうですね♪(/・ω・)/ ♪
最大の理由は参加人数が少ないからだと思います(笑)

まず、エントリー。
先ほど殆どの大会がランネットやスポーツエントリーでエントリーすると言いました。
ウルトラマラソンでもサロマ湖など人気の大会や隠岐の島など定員が少ない大会はやはりクリック合戦です。
サロマの100キロは大抵30分。隠岐の島の100キロは現在なら2~3時間くらいで締め切りです。どちらの大会もやはり50キロより100キロコースの方が人気です。
隠岐の島なんて私が初参加した2012年には何日も受付してたんですが…ウルトラマラソンも人気が出たものです。

ただ、多くの大会はなかなか定員になりません。
と言う訳でエントリー開始日を忘れてて、翌日気づいて手遅れ…ということもあまりありません。
まあそれでも出たい大会であればすぐにエントリーすべきだとは思います。何があるか分かりませんからね。
フルマラソンだとエントリー合戦に敗れて出られないとか良く聞きますが、ウルトラではあまり聞かないですね。

抽選については2大会。
四万十川ウルトラマラソン(3倍程度)とえびす・だいこく100キロマラソン(1.3倍程度)。
えびす・だいこくについては2年連続外れることはあまりないでしょうが、四万十川は運が悪ければいつまで経っても出られないかもしれません。ただ、それでも3倍なので都市型フルマラソンコンプリートよりはずっと楽だと思いますが。

また、安芸太田しわいマラソン100キロの部は100名しか出られず、希望者が多ければ選考があります。

ちなみにチャリティーとか宿泊付きのエントリーとかが付いている大会は(たぶん)無いです。

エントリー出来たらとりあえず安心です。
では受付編に参りましょう。
ウルトラの中でも参加人数が1000人を超えるような大会なら結構賑やかです。
例えばランナーズウェルネス主催の富士五湖や飛騨高山や野辺山などは、前日受付は駐車場も混雑していて一見大変な気がします。
しかしそれだけです。受付に並べばあっという間に自分の順番が来て、参加者リストに丸が付けられ、Tシャツを渡されそれで終わりです。参加人数が数百人の大会であればまず受付会場がガラーンとしてます。静かです。
とってもストレスレスですね!

当日の移動も同じで、人気大会なら駐車場確保に苦労するかもしれません。
ただ、ウルトラの場合比較的近くに駐車場があり、会場まで送迎用シャトルバスがあることが多いです。大抵スムーズ。

もちろんそもそもスタート地点に車を停められる大会も多いです。

荷物預けなどもあまり並んだ記憶がありません。あっという間に終わります。
トイレもそんなに待ちません。人が少ないので。
そして、スタートの場所取りも大会によっては全くありません。

前出のウェルネスの大会やサロマ、四万十などは前方は奪い合いですが、他の大会ではそれほどでもなく。
最前列がガラガラで、スタート5分前にやってきて最前列に陣取ることも普通に出来たりします。
一部の小規模大会では「記録を狙う人は前へどうぞ~」とかアナウンスされたりします。
何十分も待機するのはとてもしんどいので、これは嬉しいですね。

そしてスタートしてからもやはりのんびりです。
100キロのスタートをキロ5分切るなんていうのは超絶ハイペースで、キロ7分台くらいの人が圧倒的に多いです。
緊張感が全くない(笑)
30キロや40キロはまだまだ序の口で、そのくらいのではまだまだ楽だったりします。
のんびりゆえ、その大会の名産エイドを楽しむこともできます。
フルの序盤で止まって食べる人とかいないと思いますが、ウルトラでは日常の光景です。完走出来ればタイムとかどうでも良い人も多いですからね。

思うにウルトラマラソンなんて、何時間で走れたら凄いとか善良な市民は全く知りません。世間的に認められにくいものを必死になる人も少ない訳で、多くのランナーにとってウルトラマラソンはわざわざタイムを目指すものではないのです。
せっかく完走しても「100キロ走るなんておかしい、変●」としか思われないんですから…

そして参加人数が少なくペースが遅く、後半脚が止まるゆえ、スタッフや応援の人とダラダラ話ができるのも特徴。フルと違ってランナーが次々とやってくる訳ではないため、応援する側も暇を持て余していることが多いです。
話しかけたらきっと喜んでくれるでしょう。
もちろん都市型マラソンのような大行列・大歓声とかはないですが、地元が支えている大会って感じで雰囲気は良いものですよ。

そしてウルトラマラソンは風光明媚な所が多いです。
100キロのコースを取れる≒交通量の少ないところ
の図式なので、景色は大抵良いですね。
北海道の大草原や、沖縄のサンゴ礁など見どころ一杯の大会も多く、自分の足と体で感じ取れるのも長所です。

ウルトラマラソンを走る最大のメリットとは

最後に…
ウルトラマラソンを完走することにより大きな感動と達成感を得られるのも大きなメリットだと思います。
100キロ走りきるのはやはりとても感慨深いもの。
それはフルとはまた違った達成感なのです(たぶん)。
100キロランナーがたとえ世間の評判通り変態であろうとも、物凄いことなのです。
周りの人間に自慢しまくりましょう!

…とフルマラソンを走ったことがない私が偉そうに語るのでした!